〜第3章・混沌に染まる次元〜
第3話 / 全8話 · 3,456字 · 約7分
第11話 記憶の世界
覇刻のコアを破壊した日の夜、俺はよく眠れなかった。自分がこの世界に来た意味を考えていた。気がつけば窓の外は少し明るくなっている。しかし、それ以上に明るいものを感じた。部屋のクローゼットが白い光を放っている。
火光「これは...」
俺はそもそも向こうの世界に帰りたいなど思っていない。だから開けずに無視をして、その場から離れようとした。しかし思うようにはさせてくれない。クローゼットの扉は勝手に開き、俺の希望を侵食するように、白い光が部屋を覆った。何も見えない______
気がつけば、俺は見覚えのある公園のベンチで寝ていた。遠くの方に、懐かしい学校が見える。とは言っても、ここは自分の家から離れているため、帰るのに時間がかかる。どうしようかと歩いていると、
???「君、迷子かい?」
背後から妙に安心感のある、不思議な声が聞こえた。
振り向けば、そこにはアヒル...いや、アヒルの着ぐるみを来た人がいた。
???「そうだ!ボクがあの幻の世界を案内してあげるよ!さあ行こう!」
何言ってるんだこいつはと思って後ろを見てみると、そこには大規模な遊園地があった。そういや昔、こういう所で遊んだ記憶がある。
俺が歩いて行こうとすると、
???「ああ、手を繋いでおくれ、最近腰が痛くてのぉ」
火光「いや自分で歩けよ!ていうかまさかの中身おじさん!?」
アヒル隊長「ゴホン、ボクはこの世界の案内役さ!アヒル隊長とでも呼んでくれ!」
こいつもネーミングセンスが壊滅的なことには少し安心した。
第12話 真実と虚偽
俺は、アヒル隊長に、今の状況を説明した。
アヒル隊長「なるほど、君は元いた世界に帰ってきたけど、今はピイとキュウがいないから魔法も剣も使えないってことだね。そして、君の目標は厄災のコアを全て破壊することか...ちょうどよかった。実はこの遊園地、混沌のコアの主に侵食されていて、子供に怖い思いをさせてしまうことがあるんだ。だから、コアを破壊するの手伝ってくれない?」
俺は少し迷った。丸腰で、戦うことができないこの世界で、コアを破壊することはできるのだろうか。とは言っても、俺はさっきまでいた世界に行く方法も知らない。何か手掛かりがあるかもしれないと思い、アヒル隊長に協力することにした。
火光「任せておけ。この俺がやってやる!」
すると、アヒル隊長は、シューティングゲーム用の銃を俺に渡した。
火光「おいおい、まさかこれで戦えだなんて言わないよなぁ?」
アヒル隊長「これで戦ってね。安心して、この銃、実は本当の弾丸が出るようになっているんだ。混沌に侵食されているせいで、もはやなんでもありだよ。」
いや!怖いって!混沌とか超えてもう怖いわ!子供が怖い思いして当然やんけ!
アヒル隊長「一応、君の射撃の実力だけ試しておきたいから、こっちへ来て。」
俺は射撃練習場とかいう場所へ連れてこられた。
火光「すげえ!床とか壁が動いてやがる!てかマトの動き速すぎだろ!あれ撃つの!?」
これも混沌の影響のせいらしい。しかし俺は何年もゲームでやってきた知識を活かして、気が狂うようにすべてのマトを壊した。
第13話 理不尽な戦い
アヒル隊長「あのマトを全て壊すなんて!君はかなりの実力者だね!」
いや、にしてもマト速すぎるって
火光「混沌に侵食されてるけど、意外と規則的なものはあるんだね。」
アヒル隊長「そもそも混沌っていうのは、秩序と秩序が混ざり合って発生するものだからね。まあ、混沌の世界では、うわさや、願っていることが真実として現れることもあるから、悪いことばかりじゃないよ。」
それもそうか。それなら一生寝て過ごせる世界にも出来なくはないか...いや、それは絶対楽しくない。
アヒル隊長「もう、心の準備が出来たなら、混沌のコアへ案内しようか?」
火光「ぜひお願いします!」
俺は、地下へ招かれた。
アヒル隊長はここに使用者がいると言っていたが...
火光「さあ、お相手はだれかなー?」
???「ボクだよ⭐︎混沌長老だよ⭐︎」
その瞬間、俺はとんでもなく痛い気持ちになった。隣にいたアヒルの着ぐるみの中にいたのは、もはや今まで見たことのない顔のバケモノだった。胸にカラフルに光っているコアが埋まっている。あまりの敵の大きさに、俺は腰を抜かす。しかし、俺の体は地面につかなかった。
混沌長老「厄石降臨⭐︎カラミティフォール」
俺は、上も下もわからないまま、真っ暗な穴の中へ落ちていった。
ここは重力が弱いらしい。俺の体は宙に浮かんでいる。だが、俺の銃の実力は重力ごときに邪魔されない。長老に向かって銃を撃つ。しかし、発射されたのは弾丸ではなく...トイレのスッポン!?
混沌長老「ボクはこの場所の物理法則を自由に操れる。キミはもうどうやっても抗えない⭐︎」
理不尽な状況、突然の裏切り、どうしても抗えない...
俺はこの時、ここではないどこかを眺めていた。
第14話 勝利のための逃走
混沌長老「厄石降臨⭐︎リバースグラヴィティ」
俺は一瞬にして空高くまで舞い上がった。しかし、空にも謎の物体がそこらじゅうに浮かんでいるので、落ちる心配はなさそうだ。俺は一つの目標を決めた。そして全力で遊園地から逃げるように走る。
混沌長老「逃げても無駄さ⭐︎ボクがいる限り、混沌の世界は終わらない!どこまでも追いかけてやる!」
長老は、見た目の割に走るのが速かった。正直キモい。だが、重力が弱いおかげで、俺もほとんど疲れない。長老に追いつかれるたびに、足の力が弱くなる感じがした。それでも俺は走った。逃げることは負けることとは別だ!時には逃げも懸命な判断だ!
やがて、俺は見覚えのある小学校にたどり着いた。そして、そのまま倉庫の前へ向かう。倉庫の扉は閉まっていたが、鍵はかかっていなかった。
混沌長老「さあ、もう逃げ場はない!ここで終わりだ!」
火光「どうやら俺の心は読めなかったみたいだなぁ!」
俺が小学生の頃、倉庫の扉がいつも閉まっていたため、開かずの扉と呼ばれていた。そして、一部では、この扉の奥には混沌の世界が広がっているといううわさがあった。
ここは混沌の世界。うわさは本当になる。
ガチャン
扉を開けると、何色とも言えない強烈な光が当たりを照らす。
火光「秩序と秩序が混ざり合って混沌が発生するんだろ!じゃあ、混沌と混沌が混ざったらお前たちはかき消される!俺はそう願っている!」
混沌長老「...そんな馬鹿なこと!あるわけないだろ!」
火光「今”馬鹿なこと”って言ったな!?その馬鹿なことが起こりうるのが混沌なんだろう!」
強烈な光によって、俺と長老は次元の狭間へ飛ばされる。
第15話 再会とその先の未来
混沌長老「ぐあああ!まずい!コアが消滅する!」
その時、長老の口からエメラルド色に輝くコアが見えた。これはおそらく厄災のコアではない。
そのコアは、まるで俺を待っていたかのように、人の体を生成した...
...!?
俺がまだ幼かった頃、唯一の友達がいた。その友達の名前はエリスだった。小学生1年生の時、2人で公園で遊んでいたら、エリスは突然姿を消した。その後、もう2度と会うことはなかった。
そのエリスが、今、俺の目の前にいる。いや、成長はしているが見間違えるはずがない。
エリス「火光くん。ようやく助けに来てくれたんだね。」
混沌長老「ふざけるな!なぜこんなことに!最悪の結末じゃねえかあああああああああああああああああ あ ぁ ぁ ぁ 」
エリスのコアの光が強まるのと同時に、厄災の混沌のコアは消滅した...
エリスが昔から持っていた宝石が、まさかコアだとは思わなかったが、こうして再会できたことで、物語に風が吹いた気がした。
エリス「私は君のことずっと遠くから見ていたよ。ともに世界平和を目指そう!」
火光「ああ、行こう!まだ見ぬ世界へ!」
次元の狭間にいる2人は、流れるままに、ピイとキュウがいる並行世界へと飛び込んだ。
???「2人して魂だけのくせに、まだ生きているか...お前たちの望む結末は得られないことを知っている...」
不気味な声が脳内に響く...
to be continued…