死んでもいいわ。
652字 · 約2分
あの日から、
戦兎は生きることを嫌がった。
メシを置いても食わない。
寝ようとしない。
口元に持って行ってやれば食ってくれる。
ひっそりと気絶してる。
多分、死のうとしてるわけじゃない。
ただ、自分から生きようとはしない。
「…戦兎、メシ食おうぜ。腹減ったろ。」
「…」
俺のせいだ。
俺がクローズチャージで戦って、自分を制御できないから。
「なぁ、戦兎。」
俺は何を言おうとしてるんだ
「お前、死にたいか?」
「…」
やっちまった、こんなこと聞くべきじゃなかった
「…しにたい」
…しゃべった。
久しぶりに戦兎の声、聞いた気する。
「…そうか」
多分、本心じゃない。
「なら、一緒に死ぬか?」
戦兎が、久しぶりに俺を見た気がする。
ざぶ、ざぶ
冬の海は、当たり前に痛いくらい冷たい
「なぁ戦兎、つめてぇな」
「…あぁ」
俺が前で、戦兎の手を引いてる
「美空たち、怒るだろうな」
「あぁ」
「夕焼け、久しぶりにちゃんと見た気する」
「…そうだな」
「…なぁ戦兎」
「なんだよ」
あぁ、ダメだ
「俺、やっぱり死にたくねぇかも」
振り返ったら、戦兎は笑ってた
くしゃっとしてなかった
俺が、こいつの笑顔を奪ったんだ。
俺のせいで。
「やっぱりな」
バレてた
多分最初からわかってたんだ、こいつ
「…戦兎」
俺多分今、すっげぇ間抜けな顔してる。
「…帰るか。」
俺が、戦わないと。