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Case06 開票

朝。街頭演説。

「皆さん、政治は見えないところで決まっています!
 誰が決めたか、どう決まったか、見えるように変えます!」

埴輪武人は、笑われる名前も恐れず、マイクを握った。
周囲の有権者は半信半疑だが、真剣な目で話す彼に、少しずつ耳を傾ける。

幣呂幣呂彦が後ろでスマートフォンを確認する。

「ネットでの反応も、悪くありません」

「票に変わるか?」

「変わる可能性はあります」

午後。投票所。

埴輪は、自分の名前が書かれた投票用紙を見つめる。
名前の奇抜さで笑われるかもしれない、制度に阻まれるかもしれない。
だが、彼の目には透明性を取り戻す意思しか映っていなかった。

夜。選挙事務所。

埴輪武人……当選確定!
幣呂は、静かに頷いた。

「名前でネタ扱いされても、制度を動かすだけでここまで来ました」

埴輪は深呼吸し、拳を握る。

「これからが、本当の戦いです」

ニュースやSNSでも話題に。

《埴輪ニキ、ついに当選!》
《名前はネタでも、政策と透明性への姿勢が評価される》
《合法の隙間を突く男、国会で何を見せる?》

ひろすきも、Twitterで呟く。
「名前だけの候補だと思ったら、制度の話しかしない…これは意外と怖い」

???「やりますねぇ。たまげたなぁ。」

幣呂は笑った。

「敵は人じゃなく、制度そのものです」

埴輪はテレビ画面を見つめたまま言った。

「それでいい」
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