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#1 異変 。

神室町には、神がいるらしい。
だがそいつは、願いを聞いたり、罰を与えたりはしない。

――ただ、見ているだけ。

最初に気づいたのは、ほんの些細な違和感。
いつもの路地。いつものネオン。いつもの生温い風。
なのに、背中の皮膚がじっとりと濡れるような感覚が消えない。

誰かがいる。
振り向いても、誰もいない。
カメラかと思ったが、あの視線は機械ではない。
好奇心も悪意もない。

ただ
感情がない。

「.... なんや 、気色悪いな .... 。」

そう呟いた声が 、暗い路地に吸われていった 。

それからだった。
人を見るたびに、妙なものが目に入るようになったのは。

最初は気のせいだと思っていた。
酒の飲みすぎか、と思った。
だが、何度見ても同じ。

人の頭上。
空気が歪んでいる。

煙みたいで、影みたいで、形を持たない。
なのに、確かに“そこにある”。

歩いているチンピラにも。
笑っているホストにも。
怒鳴り散らしている客にも。

全員同じように。

「... ああ 、なるほどな」

そこでようやく気づいた。
あれは“何か”ではない。

”誰か”だ。

数や
意識や
死んだはずの人間の。

神室町で死んで、
誰にも覚えられなかった連中。
ニュースにもならず、名前も残らず、
ただ消えた人間の感情。

”それ ”が見ている。

理由もなく。
意味もなく。
ただ、 "存在している"物を。

「神様 、っちゅうわけか ...」

笑おうとした。
いつものように。
だけど、喉が引きつったまま動かない。

視線が増えているのを感じる。

人とすれ違うたび、
頭上の“それ”が、自分を見つめる。監視しているように。

興味ではない。
敵意でもない。

ただ――
「見つけた」
そう言われた気がした。

その瞬間、
自分は確信した。

神室町の神は、
裁かない。
救わない。

だが、
見続ける。

気づいてしまった人間が、
壊れるまで。





end ___


「 神の痕跡 」 ☞
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この話への感想

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ぎの 2026-01-18 23:33:13
これしか言葉が出てこないけど好き