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好奇心

2015年9月12日、緑森市の系美湯硫湯硫動物園で俺は生まれた。
動物園はいつも人で賑わう活気に満ちた場所だった。

俺が果物をむさぼるだけで大きな歓声が巻き起こって、少しやかましいと思ったりもしたが、普段は特にストレスなく過ごしていた。

10歳になったある日、俺は思った。
「檻の先は、いったいどうなっているだろう」
俺は檻の先のことについて三日三晩考え続けた。
バナナの楽園が広がってるんじゃないか?
はたまた、ひらけた草原がいつまでも続いてるんじゃないか?
考え出したら止まらず、ある日同じゴリラの友達(以下、ゴリ友)に檻の先はどうなっているのか聞いてみた。
ゴリ友の意見はかなり悲観的で、
「きっと、俺たちが手にも負えない様な恐ろしい動物たちがひしめいてるんだろう」
「きっと、得体の知れない毒素の混じった果物がそこら中に生えてるんだろう」
「きっと鋭利なトゲをいくつも身につけた植物たちが、今度は誰を刺そうかと探し回ってるんだろう」
俺はどうもその言葉が信じられなかった。
だって俺が口にしてきた果物に毒なんて入ってなかったし、トゲが生えた植物なんて見たことがなかったからだ。
そう考えると余計に外に出てみたくなってしまった。
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