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些細な願い

第1話 / 全6話 · 899字 · 約2分
問題がないように見えた。いや、
見えないようにされていたとでも言おうか。
炎に問題があったわけじゃない。外に問題があったんだ。
この物語の主人公の一人、不知火 炎は、代々稲荷神を祀る、「奈狐稲荷神社(実際にはないです)」の神主の家庭に生まれた。
母の紅の髪と目、父の真面目で不器用な性格を受け継いだ炎は、跡継ぎとして育てられ…
なかった。なぜかというと、父も母もその子供だけを特別扱いすることを嫌っていたからだ。そんなこんなで18歳になった炎は、ある日、こんなことを言われた。
「お前の親、呪われた犯罪者なんだろ!近づくな!」
これを聞いた炎は相手を黙らせ(暴力じゃないよ)、神社に帰って両親に聞いた。
親はもちろん否定した。炎もそのはずだと納得した。
だが、悲劇はここからだった―
里の人間は、過ちを正そうとするどころか、さらに攻撃を過激にしていった。
ある日、人々は、【山を焼こうとした。】
最初はただの根も葉もない噂だった。だが、もう事実として捉えられてしまった。
群衆が山を焼こうとしたとき、火が一斉に消えた。それを群衆は呪いだと勝手に解釈し、今度は武器を持って本気で殺しにかかった。もちろん炎の家族に抵抗するすべは無かった。その後は…まあ予想がつくだろう。
炎は両親を亡くし、孤独の中で過ごしていた。
その後、とある人里で大火事が起きた。
でもなぜなのか、死傷者は一人も出なかった。多分、察しがつくだろう。
炎が助けたのだ。
だから、死傷者共に出なかった。
だが、流石に炎も火の中に生身で入れば火傷する。だが、なぜか不思議なことに、翌日には、治っていた。
実は、炎の家系が祀っている神、「奈狐 弥生(なぎつね やよい)」が炎を不老不死にした。
実の娘のように思ってきた炎を死なせたくなかったのだ。
炎「もしかして、不老不死にでもなったのか?じゃないと説明がつけられない… まあいいか。それなら好都合だ。“あいつ”との約束もあるからな。...今度は、いや、今度こそは、【穏やかな日常があるといいな。】」
穏やかな日常―
それが、彼女の願いだった。
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