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孤独な王女

第2話 / 全6話 · 1,610字 · 約4分
あなたは、私の素顔を見たことがありますよね。
でも、ずっと忘れないで、覚えていてくれている。
あんなに小さい頃の出来事なのに、ずっと。ずっと―
あの頃の私は、まだ世界のことを何も知らなくて。
優しくされることも、守られることも、当たり前じゃなかった。
家族のこと、国のこと、そして――姉のこと。
小さな体で抱えきれないほどの悲しみを、
私はただ黙って胸にしまっていた。
でも、誰かが覚えていてくれるなら、私はそれだけで生きていける気がする。
お姉様は、優しくて、真面目で、無口で、不器用だった。でも怒ると怖かったな。
...なんで、お姉様だけこんなに苦しい思いをしなければならないの?なんで死ななければいけなかったの?私、シルヴィア・バイオレットは、王国の第2王女として生まれた。もともと泣くのは嫌いだった。なぜ嫌いかって?例えば、悪口を言われたとする。泣けば、調子に乗ってもっと言ってくる。でも笑っていれば、気にしていないと勝手に理解して、やめる。
私は笑顔を貼り付けていた。剥がれることのないように。でも、姉に見られてしまった。泣いた姿を。
弱さを。
でも、姉は、私が涙を見られるのが嫌だと分かっていて、花をくれて、そのまま去っていった。
姉のアナスタシア王女は、とても優しかった。
でも、
私が10歳になったとき、不治の病にかかって、亡くなってしまった。その時は、これほどまでに哀しいことはないだろうと思っていた。
18歳になって、親が死ぬまでは。
親が乗っていた馬車が何者かに襲われたのだ。
この事件によって私が王女となった。
たくさん頑張った。でも、なぜだろう。全てが空回りで、周りに迷惑をかけるばかりだった。
ある日、大事件が起こった。毒を盛られたのだ。別に死ななかったのに安心したが、
私はまだ気づいていなかった。
王国の壊滅の危機が迫っていることに…
一人の召使が王宮に来た。その召使は、アリシアと名乗った。私は驚いた。何に驚いたのかと言うと、
似ていたのだ。姉に。
あの、優しかった姉に。
シルヴィア「シア、お姉、様...?」
アリシア「? どなたのことでしょうか?」
シルヴィア「いや、なんでもないわ。ごめんなさい。」
私は納得した。いつも通りの穏やかな日常を過ごした。
そんな穏やかな日々も、長くは続かなかった。
国民の2/3を巻き込んだ暴動が起こり、王国が崩れたのだ。
私とアリシアは山の中に逃げたから、傷一つ無かった。生まれ故郷の王宮は、燃えていた。
私は、アリシアを問い詰めた。
アリシアの本名は炎というらしい。そして、重要なことが分かった。
シルヴィア「本当に、本当にお姉様の生まれ変わりなんですか?」
炎「そうだ。だが、今の人格は炎だ。お前の姉ではない。」
シルヴィア「そっか。お姉様は生きてるんだ。
      ...ねぇ、炎さん。」
炎「なんだ?」
シルヴィア「あなたがさっき言っていた、異界を巡る旅、私も行きたいです。」
炎も流石に驚いたのか、目を丸くしている。
炎「...は?いや、別にいいんだが、大丈夫か?」
シルヴィア「はい!」
炎「なら、ついてくるといい。」
炎「ちなみになんだが、お前の姉が、死ぬ直前にお前に不老不死の魔法かけたみたいなんだが...」
シルヴィア「え?」
私は、指に針を指した。すると、針を指した部分が神秘的に光って、治った。
シルヴィア「...本当だ!?」
そのことに驚きつつ私は考えた。
(私は、炎さんについていく。なら名前を考えるのが筋だ。)
シルヴィア(名前...水輝とか?)
炎「良いんじゃないか?」
シルヴィア「心読んだんですか!?」
炎「できるわけ無いだろ。勘だ。」
ああ。こんな暮らしがしたかった。もう、辛いことはしなくていいんだ…
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