氷の扉
第3話 / 全6話 · 1,957字 · 約4分
ああ、運命はどれだけ彼女を傷つければ、彼女から大切なものを奪えば気が済むのだろうか。
今は助けられない。
でも、あと少し、本当に少しで助けが来る。
その時までは、待っていて。
その助けは、君の運命を変えてくれるから――
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私、シルファーの生まれは不思議なものだと思う。いや、変とでも言おうか。
神と魔族の間に生まれ、神界と魔界どちらにも味方がいなかった。
《この世界》には異界の扉の神がいて、それを父と母が担っていた。
神である父は怒ると怖かった。一方母は魔族でありながら争いを嫌い、とても優しかった。
そんな生まれでも、平和な日常を送れていた。
だけど、
平和な日常は長くは続かなかった。
10歳の頃のある日、外が騒がしいと思ったら、父と母が何やら魔族と神の使いらしきものと戦っていた。
私は、怖くて逃げてしまった。
少し経って家に戻ると、父と母が倒れていた。その後ろで、
神の使いと魔族がどちらも全滅していた。
意外にも、冷静に現状を理解することができた。
いや、混乱しているのを誤魔化そうとしていただけかもしれない。
数日かけて、全員を埋葬した。やはり子供の体には負担が大きかった。
そのあとはもう誰とも会いたくなくなった。すべてを見たくなくなった。そして、
誰も信じたくなくなった。
実は生まれたときから左目はほとんど見えず、右目は弱視だった。
この不自由なことに感謝する日が来るとは思ってなかった。
それから8年。
私は18歳になった。いつものように独りで過ごしていると、
目の前の地面からいきなりドアが出てきた。
茶色いよくあるドアのようだが、私はそれが特別なものだと瞬時に気づいた。
見覚えがあったのだ。両親が死んだあと、8年間異界の扉の神は不在だった。
だから自分に能力が開花したと言っても違和感はない。
それはまあ置いておいて、
この扉は、どこにつながっているのだろうか。
私は興味本位で扉に触れた。
(面倒臭くならなきゃ良いんだが。)
その瞬間、急に周囲が明るくなって、見知らぬ世界に来た。
シルファー「ここは…?」
空は晴れていて、木々が神秘的に揺れている。
林の奥から何者かがやってきた。
炎「何だあいつ」
水輝「さぁ…?」
シルファー「お前ら誰だ?」
だ。
炎、水輝「こっちのセリフ 」
です。
一同「...」
(((これは...どうすべきなのかわからないな…相手の行動に任せるか。)))
全員同じことを思っているのか?誰も動かない。とりあえず、一発攻撃でも仕掛けてみるか。
早速能力も使ってみたいし。
シルファー「火魔法 線香花火!」
水輝「うわ!?びっくりしたー!」
炎「あっちが攻撃してきたということは…」
水輝「こちらも攻撃していいってことですかね〜...」
炎「炎龍 永遠炎華!」
水輝「水龍 幽雅なる水彩画!」
シルファー「おいおい、いきなり二人がかりはないだろ…」
ピチューン!
シルファー「痛たい…」
炎「やりすぎか?」
水輝「ノーコメントで。」
私はあっさりとやられてしまった。まあ殺されなかっただけマシか。
その後なぜこの場所に来たかを聞かれ、事情を話した。
水輝「へぇ〜。そんなことが。」
炎「よく生きてこれたな…」
二人の過去は、壮絶なものだった。
その分、私の事情をしっかりと理解してくれた。
二人が不老不死だと知った時は、思わず
「はぁ?????」
と声が出てしまった。
炎「なぁ、シルファー。」
シルファー「なんだ?」
炎「お前、私達についてこないか?」
シルファー「別にいいぞ。」
水輝「軽っ!?」
シルファー「悪いか?」
(まあ、別に信じているわけではない。ついて行ったほうが利点が大きいだけだ。というか、なんでそんなにすぐに人を信じることができるんだ…?)
炎「それにしても、シルファーと呼ぶのは少し違和感があるんだよな…西洋の名前はあまり使わないし。ついでに水輝と被るし…」
水輝「たしかにそうですね〜!私の時もめっちゃ噛んでましたし!というかついでにとは?」
炎「おい言うな!!!」
シルファー「そうだな…鷹乃とかどうだ?」
水輝「良いじゃないですか!そうしましょうで、ついでにとは???」
こうして、炎たちとの旅は始まった。
その時は、さらに家族が増えるとは思ってなかった。本当に。
水輝「ついでにとは???(圧)」