目次に戻る 水輝(妹紅推し)

約束

昔から生きてたと思っていたが、まさか炎と水輝たちに年を抜かされてしまうとは。
時の流れとは残酷じゃな。
まあ、世界によって流れる時間が違うのもある。
まさか炎とはいえ、あの「約束」を覚えとるのか。
次に会う時は、違う姿かもしれん。でも、私は絶対心の中に居るからの。
覚えておいてくれると少し気持ちが楽じゃ。
また、会おう。
炎の家系が神主の役目を担ってきた稲荷神、奈狐 弥生(なぎつね やよい)は、1億年の長い歴史を持つ力の強い神だった。そんな強大な力を持つ弥生も、元は人間だった――
弥生は人間の頃、姉と二人で暮らす孤児だった。
その共に生きてきた姉が死んだのは、齢わずか9の時だった。
神たちは、自分たちが高天原から見ていることしかできないと思っていた。
だが、一人の神がそれを覆した。
あなた達読者も聞いたことがあるくらい有名な太陽の神であり、日本の最高神である、
天照大御神だ。
見ているだけでは流石に可哀想だと思ったのか、弥生を稲荷神にして、炎の一族に信仰するようお告げをした。
そうして生まれたのが今現在も炎たちが住んでいる奈狐稲荷神社(実際にはないです)だ。
ある日、弥生は縁側に座りながら桜を見ていた。
弥生(今日もなんだかつまらないな…)
そんな考えも吹き飛ぶくらいのことが起きた。
子供が神社の中に入っていたのだ。
弥生「なぜ子供が...?里の人間は入れないのではなかったのか?」
子供「あんたが奈狐弥生とかいう神か?」
弥生「うん。まあ。うん...見えてるのか?まず。」
子供「見えてるに決まってるだろ!なにせ私は不知火家の人間だからn...」
その言葉を遮るように弥生は、
弥生「はぁ!? あの二人に子供ができたなぞ聞いておらぬぞ!?もう少し教えてくれてもいいのではないか?まったく…」
子供「と、とにかく弥生で合ってるんだな?」
弥生「ああ。合ってる。それで、私になんの用じゃ?力か?富か?どちらもやらんぞ。」
(そもそもそういう事できないしな。ま、出方を見るかの〜)

子供「〝そんな物〟いらない!私が欲しいのは平和だ!」
弥生「平、??」
子供「あ、ああ…」
弥生「…はははっ!!これはまたたまげた!まさか力や富をそんな物呼ばわりする奴が居るとは!片腹痛いの〜!
っと。大切なことを忘れていた。平和だったか?そんな物いくらでもくれてやる!
ちなみにおぬし、名はなんという?」
子供「炎だ!」
弥生「炎か!いい名前だ!わしはお前のことが気に入った!その願い、叶えてやろう!」
弥生「そんなこともあったのぉ〜」
炎「やめてください。あの頃は本当に親の助けをしたかっただけなんですよ。」
弥生「ほぉ〜う。おぬしが照れるとは、珍しいの〜!恋でもしたのか?ん?」
炎「してません。というか神の仕事終わらせてください。」
弥生「辛辣!!」
その時、遠くで人々の叫ぶ声がした。
一人「この山ごと悪魔を倒すぞ―!!!
群衆「オオオオオオオオオオオ!!!!!!
炎、弥生「!?」
炎「あの声と光の方向...まさか!?」
弥生「おぬしの両親ではないか!?仕方あるまい…火をすべて消す!」
炎「そんなことしたら逆に疑われるだろう!」
弥生「それがどうした?この山を燃やしたいのか?」
炎「それは…」
弥生「時間がない!今すぐ火を消すぞ!手伝え!」
炎「仕方ないな」

(炎の親を殺したのは、わしじゃ。)
弥生はそのことで自分を責めてきた。だが、8年後、転機が訪れる。
山の麓の里で大火事が起き、炎がひどい火傷を負ったのだ。
弥生(過去の失敗を挽回できるのは、今だけもしれない。だが、また失敗したら…
   いや!今度こそは大丈夫じゃ!)
こうして、弥生は炎を不老不死にした。
この行動で、弥生は罰として長い間眠った後記憶のない状態で戻ることとなった。
そして炎を終わらない命の中に落としてしまった。
だが、皮肉なことに、この判断によって炎は、水輝と鷹乃に出会うこととなった。



それは、突然のことだった。
ある日のこと、炎と水輝と鷹乃の三人が裏庭に行くと、
狐の耳と尾が生えている少女が蝶々を追いかけていた。
水輝「…ゑ?」
炎(まさか…?)
鷹乃「なあ、一つ聞きたいんだが、狐の耳と尾が生えている子供が蝶々を追いかけているのが見えるのは、私の幻覚か?」
水輝「鷹乃さんの目は正しいですよ~」
炎「さてとどうするか…」
水輝「まあ一人増えるくらいならいいでしょう!よし!(アホ)」
炎「ちゃんと考えろ。」
ということで、名前を聞いてみることにしたようだ。
水輝「お名前は?」
奈狐「奈良の奈に狐で奈狐なこ!」
炎(奈狐か…字が弥生と全く同じだ。
でもなぜだ?なぜこんなに長い間寝た後、今この姿になって戻ってきた?記憶もない状態で?それが引っかかる。自分の意志なら記憶は消さないはずだ。…まあ今はいいか。)
水輝「炎さん?どうしたんですか?」
炎「いや、何でもない。ただ考え事をしていただけだ。」
水輝「本当にそうですか?なんか怪しいですよ?」
炎「………⋯⋯⋯はぁーお前本当に勘がいいな…」
水輝「炎さんの方がよく当たるじゃないですか」
炎「そうか?」
水輝「まあとにかく、教えてください!」
~教えました~
水輝「そうですか…そんなことが…」
炎「まあな。あ、そういえば、弥生が後悔してた時あっただろ?」
水輝「なんかメタい言い方に聞こえますが…まぁありましたね。」
炎「あの時少し声が聞こえていたんだ。なんか不老不死とか言ってたから身構えてたら、本当にやりやがったよあいつ」
水輝「神様に「あいつ」とかって大丈夫なんですか~?」
炎「まあいいだろ。
  とりあえずこの話題は終わりだ。」

この後最大の敵が来ることを、まだ誰も知らなかった。
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