表示設定

文字サイズ
行間
フォント
背景
文字方向

第6話 / 全6話 · 1,009字 · 約3分
朝の匂いが鼻をかすめる。朝日が空を赤や黄色に照らす。
小鳥が鳴く。命が光る。
全てが起き始める。
いつものうるささが嘘のように消えている。
その一角にある神社の中で、ふと、欠伸の声がする。
その声の主は、赤黒い髪の人物。そう。炎だ。眠そうにはしているが、目は覚めているようだ。もう身支度は済んでいる。
炎「…静かだな。」
「うーん…眠いです…」
続いて起きたのは、水色の髪をした人物。水輝だ。
こっちはあまり寝ていないようで、二度寝をしようとして炎にこっぴどく叱られている。少し可哀想な気もする。
奥から誰か出てきた。鷹乃だ。
鷹乃「なんだ?朝から説教か?まだ眠いんだが。」
炎「お、鷹乃にしては早いな。」
鷹乃「なんだよ『鷹乃にしては』って…」
炎「言葉通りだ。」
ちなみにだが、鷹乃は朝が弱く、起きて1時間しないと起き上がれない。つまりは今日は炎より早く起きている。
今日
奈狐「おはよう!」
奈狐が起きてきた。こっちはなぜか1日中元気だ。この2人の違いはなんだろうか。
水輝「朝ごはんできましたよー!あ!奈狐ちゃんおはよう!」
炎「お前朝飯作るのだけは速いよな…」
鷹乃「寝るのは遅いのに。」
水輝「辛辣!」
炎「平和…だな…」
鷹乃「…そうだな。」
水輝「はたから見れば凄いメンバーですけどね。冤罪をなすり付けられた不知火家の末代に崩れた王国の元王女になんかわかんない神様に神様って。」
炎「最後の方雑だな。」
水輝「えへっ☆」
炎「………ふふ…」
今、たった今、常識が覆された。
笑ったのだ。炎が。
炎「いっ…今…」
水輝「笑っ…た…?」
これには全員口が開いたままだ。
炎も自分が笑ったことに驚いている。
そして、もう一つの奇跡が起きた。
鷹乃「朝から言い忘れていたんだが…」
炎「なんだ?」
鷹乃「左目が…見えてる…」
水輝「え?ええええええええええええ!?
炎「今日、奇跡起き過ぎじゃないか?」
――ここは山奥にたたずむ稲荷神社。至って普通に見えるけど、 本当は全く普通じゃない。
赤い鳥居をくぐってみれば、結界の外からは見えない不思議な世界が見えてくる。
そして、いつの日か夢に見た明るい未来は、
今も、
これからも、続いて行く――。
そう、永遠に――。
鷹乃「いや水輝うるさすぎだろ。」
水輝「てへ☆」
« 前の話 目次

この話への感想

まだ感想はありません。