必要不可欠な断捨離
英←景
捏造しかありません
当たり前のごとく独白
恋心分離ネタ&軽度の加害描写
作中で出てくる名前「祢音」だけですが英景です
それでもいい方はどうぞ⬇
…これで、3人目。
手や足や顔、そして包丁に着いていたソレが光になって飛んでいく。
いや、ソレだけじゃない。
ここに転がっているもの…死体も。
緑色に光って、窓から外へと飛び出していく。
3回目の、さようなら。
俺の恋心。
元来、感情を切り離すのが得意だったように思う。
父さん母さんが死んだ時も、姉ちゃんみたいに泣けなかった。
「もういないんだな、」「姉ちゃん、泣かないで。」
そんな気持ちばかりが心を支配する。
「悲しい」だとか、「寂しい」だとか。
そんなのは正直、全くなかった気がする。
でもそれは、あくまで感情的な話であって。
誰が、実際に自分と分離させられると思うんだろうか。
…まぁそこは、仕方ないかとも思う。
デザイアグランプリなんてものに参加させられて。
そしたら不思議も不思議、摩訶不思議。
切り離した感情が、命を、身体を得るように。
どういう原理か知らないが、これも女神が関係あるのか?
…まぁそこは置いとくとして、なぜそんなことに気づいたのか。
いらないものが芽生えたからに決まってる。
宝探しゲームで、もう一度ライダーになった時。
心の底から恋を知った。
一緒にいて欲しい、そう思った。
だけど同時に、絶対にいらないものだとも気づいた。
だから願った。
こんな感情が、痕一つ残さず消えてしまうことを。
その時、心にぽっかり穴ができた感覚になって。
前を見たら、恋焦がれる目をした俺がいた。
一目見て、一言。
「よかった」
何が?
何が良かったんだろう?
殺して、消してしまえること?
今家に、誰もいないってこと?
恋心が、勘違いではないこと?
そんなの聞かれたって、俺も分からない。
でもいつの間にか手は包丁があって。
目の前には、心臓を差し出すような恋心がいた。
“もう悩まなくていいんだ”
そう言ったように俺には聞こえたから。
グサリ、心に一突き。
それが、1回目。
2回目は、人狼ゲームのとき。
夜に、夜食作ってくれたりとか。
俺をデザスターだと、疑わなかったりとか。
…でもね、祢音ちゃんとカップルだと揶揄われた時、
本当は少し、悲しかった。
当たり前なんだろうけど、俺は彼の恋人にはなれない。
わかってたはずが、少し苦しかった。
だから、期待を捨てて、2人目の恋心を殺した。
恋心を殺すと、晴れやかな気持ちに捕われる。
「よかった」「捨てられた」「もう大丈夫」
そんな風に、心の底から安堵して。
だけど何だか少しだけ、物足りない、歯痒い気持ちになる。
苦しい、嬉しい、楽しい、悲しい、寂しい、…なんだっけ
グルグルするのは、多分俺が困惑してるから。
雲ひとつ無い晴れの下、1人涙を零しているような。
自分一人だけで、笑って泣いているような。
説明のつかない思いが、ずっと続く。
もう二度と恋などしたくないと、満面の笑みで口にしているような気分だ。
…だけど、3回目。
俺を救ってくれた君に、また恋をした。
闇に染って、誰も信じたくなくて。
光を放つ君に、もう二度と会いたくなくて。
世界を創りかえた彼女に、合わせる顔がなくて。
…俺のせいで人を辞めた君が、どうしようもなく好きだった。
だけど今度は、始末が遅くなってしまった。
結局君は、人外どころか生物じゃなくなってしまった。
ごめん、ごめんなさい。
きっと4分の1ほどは、俺のせいなんだよね。
ひとつは母のため。
ひとつは姉のため。
ひとつは世のため。
ひとつは俺のせい。
全部が終わって、俺は警察官を志し始めた。
自分の周りだけでも守れるようになりたくて。
だから、恋心をまた殺した。
こんなものがあったら、君に普通に報告ができないだろうから。
今度は何度も刺した。
グサリ、グサリ、グサリ、グサリ、グサリ。
もう二度と芽生えやしないように。
光になって消えるから、あと片付けは結構楽だ。
包丁と体を洗って、終わり。
嗚呼よかった、これで、これでちゃんと。
君に、友人として愛に行ける。