大切で憎い
付き合ってるつもりはあるけど告白はしてなさそうな貴黎
前半貴利矢の独白後半永夢出てきて会話劇
結局心には逆らえないお話
「そのまま桜に攫われて」の原案なので似てます
それでもいい方はどうぞ⬇
CRのみんなで花見に来た
誰の目も届かねぇのはっつーことでアイツも一緒に。
花を愛でて、飯を食って、酒を飲んで。
まぁそんな、ごく普通の忘年会のような花見をして。
あれ、そういえばいないを
どこに行った。
まさか逃げだか。
いた。
桜の木の下で
その無駄に長い手足を映えさせて
まるで切ないような顔をして
すぐ、そこに
美しくて、だけど触れられないような
そんな雰囲気をまとっていた
そしたら風がびゅうと吹いて
お前は目をぎゅ、と瞑った
その様が
まるで1枚の絵画のように美しくて
思わず、息を飲む。
立ち尽くして、眺めていたら
視線に気づいたのだろう、不意にこちらを向いた
「…そんなに見つめられては、流石の私でも穴が空いてしまうだろ。」
その言葉遣いは、いつも通りなくせに、何故かいつも通り美しいような気がして。
あぁ、クソ、やっぱり気に入らねぇ!
だから自分もいつも通り話しかけてやる。
肩にかけた上着がなびいて、腰にそわせた手を自由にして、そして出来るだけ意地悪く。
「いっそ桜に攫われちまえよ。」
本心で思ってるかのように。
だけどやっぱり見透かされて。
「そうなったら君は、必死になって私を探すだろうね。」
それこそ何年もの月日をかけてでも、なんて付け加えられる
…「ゼロデイ」から6年で真犯人を見つけ出したように。
「貴利矢さん!黎斗さん!探しましたよ〜…」
「永夢、」
「ほら、もう退散しますから、皆のところに戻りましょ!」
正直助かったかも知れない
このままだと檀黎斗の思い通りになりそうだった
「行きますよ黎斗さん、黙ってていいので歩いてください」
「宝生永夢」
…?コイツ、何を言うつもり
「九条貴利矢」
「君たちは、私が消滅したら」
「喜んでくれるのか?」
だ、
…は?
「アンタまさか…消滅するつもりか?」
「そんなわけが無いさ。ただ…自分の死に感情を動かしてくれる者がいるのか、気になっただけさ。」
「…ふざけないでください。」
あ、これ、こえーヤツだ
永夢、完全にキレてら。
「貴方は仮にもCRの患者なんです!それに、消滅した方たちを人間として復活させるという使命もあるんです!それをなんですか?自分の死に喜んでくれるかって?自分勝手にも程があります!…仮にそれらがなくとも、喜ぶわけが無いでしょう。医者を舐めないでください、どんな人間も救えるなら救うのが医者なんです。」
どーどー、落ち着きなって、
「…あぁ、すまなかったな、」
お、珍しくしおらしい。
「まぁまぁ、反省してる?っぽいし、もう戻ろうぜ。あんまり待たせちゃいけねぇよ。」
「…そうですね」
なぁ檀黎斗神サマよ、自分はアンタの消滅、喜んでやるよ。
自分は監察医だからな
1番早くアンタの死因にたどり着いて、それでなんどでも復活させてやる
満足して消滅するなんてアンタにゃ許されるわけがねぇ
だからせめて、医療の役に立ちやがれ。
そしたら、そこまで出来たら泣いてやるから。