第一話 姿
第3話 / 全3話 · 431字 · 約1分
[big] あいうえおかきくけこさしすせそ・・・
これがひらがな。
ワン、ワォン、クゥン、ゥ゙〜・・・
これは犬語。
それくらい分かるさ。いくら僕が犬だからって、いじめていい理由にもならないし、絶対に散歩にいかなきゃいけない理由にもならない。
なのにさ・・・いつも思う。僕は野良犬だったからたくさん見てきた。捨てられて、無理やり散歩にいかされて、たくさんの犬が、しんどい世界へと導き出されているところは、あの世のまえのあの世・・・・みたいに見えた。
だけど、今僕は楽をしている。硬いガラスの壁に囲まれて、フワフワのクッションに転がって、今までの生活よりもずっっっっっと良かった。
「クゥンクゥン」
と、声にならない声を上げて、食べ物を探すよりは・・・
ふと、ガラスの壁に映る僕の姿を・・・始めてみたー。
耳がピンとたち、ふぅさふぅさな弾けるように広がる僕の毛並み、そして、黒と白のおしゃれな僕の体に、じしんをもった。
「クゥン(いいじゃん)」