1、彼の身に降りかかった災難
第1話 / 全1話 · 1,065字 · 約3分
1987年5月6日に生まれた彼。名前は高田翔。
小学校に入学して間もない頃、彼は事故に遭い全治3ヶ月。
その後遺症と恐怖で彼は外を出歩くのがとても苦手になった。
その事故というのは、普通に車との接触と想像する人が多いだろうが、実際は全く違う。
マンホールが3mほど飛ばされ、頭に当たったのだ。
幸いと言うべきか、直撃はせずそれで足元に落ちた。
足に当たりはしなかったが、脳震とうで病院に運ばれた。
それがトラウマとなり、小学校2年生頃からは一切外に出ないようになった。
人と話すことが苦手。
外に出るのが苦手。
塞ぎ込むような性格となってしまったのはだいたいそのせいだろう。
しかし、2002年に就職。まぁただの町工場だが。
その町工場も大元はまぁまぁな規模の企業なので侮れないけども
その町工場では周りとなじむことが出来なかった。
それ以外にも周りに出歩くのが苦手だった彼は、なぜか小さい町工場にも関わらずあった謎の寮に住み、ほとんど外に出歩くことはなかった。
その後も順調に働き、ついに彼も町工場に馴染みはじめた。
それが5年後のことだった。
5年後と聞いて笑うかもしれないが、彼にとっては立派な成長だった。8年も背負ったトラウマを跳ね返したのだから。
ただ、彼にも一つの分岐点があった。そう、同級生の成長だ。
7年後、大卒の同級生たちは地方の企業、某食品企業などの安定した職に就いていく。
その中には、彼の勤めている町工場の大元にいる人もいた。
彼は機会があったので本社に行ってみると、見覚えがある顔があった。
そう、彼の同級生だ。
恐らく相手は覚えていなかっただろう。しかし、彼は自分がどれだけ成長してないか、そんなことを思ってしまい自分を周りに出すことが苦手になった。
それが2010年の話。
周りからは「いや~オランダ残念だったな~」とかいう話をしているのが聞こえるが、何が残念だったのか全く分からない(ワールドカップ)。彼は一切の世間の情報を手に入れることが出来なかった。
なぜなら外に出ず、自分を隠しつづけたから。
特にスポーツに疎い彼は、ワールドカップなんて知らなかったことだろう。
より疎外感を感じるようになり、彼は今にも限界を迎えそうだった。
でも、働いてお金が手に入ることが唯一の楽しみであり、生きる意味だった。
だから、彼は生きようと思えたのだ。
しかし、そんな彼にも転機が訪れた。
2014年3月17日、彼の働いていた会社は倒産したのだ。