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1,175字 約3分 114 PV

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はっぴーえんど

1,175字 · 約3分
世界が「終わりの病」に侵されてから、もう3年が経つ。触れた者を異形へと変えてしまう未知のウイルスが蔓延し、人類のほとんどは地上を追われた。僕と妻のユリは、命からがら逃げ延び、地下深くにある「完全自給自足型シェルター」で暮らしていた。ここには清潔な水があり、人工太陽による菜園があり、何よりウイルスを完全に遮断する鉄壁の隔壁があった。安全で、満ち足りた、僕たち二人だけの楽園だ。ある朝、シェルターのメインコンピューターが静かな電子音を鳴らした。画面には、地上に設置された監視カメラの映像が映し出されている。「……嘘、でしょ……?」隣でコーヒーを淹れていたユリが、カップを落とした。画面に映っていたのは、防護服も着ずに、シェルターの重厚なハッチの前に佇む一人の少女だった。「ナナ……!」僕の妹のナナだった。3年前、パンデミックが起きた混乱の最中、はぐれてしまった最愛の妹。生きていた。奇跡が起きたのだ。カメラの中のナナは、衰弱している様子もなく、むしろ白く綺麗な肌をして、穏やかに微笑みながらハッチをトントンと叩いている。「開けなきゃ! すぐに中に入れないと!」僕は狂喜乱舞して、ハッチの解錠コンソールへ走った。しかし、ユリが僕の腕を必死に掴んで止めた。「待って、タカシ! 3年も地上にいて、防護服もなしで無事なわけがないわ! 彼女はもう、ウイルスに……」「うるさい! 妹を見殺しにしろって言うのか!?」僕はユリの手を振り払い、拒絶する彼女を強引に寝室へ押し込んで鍵をかけた。ユリを危険に晒したくない気持ちもあったが、今は一刻も早くナナを救いたかった。コントロールパネルに向かい、何重ものセキュリティロックを解除していく。『警告:外気および未確認生物の侵入リスクがあります』画面に赤い警告が出るが、迷わず「強制執行」を押した。プシューーーッ……。激しい風圧と共に、3年間一度も開かなかった分厚いハッチがゆっくりと開いていく。外の淀んだ空気が流れ込んできたが、そんなことはどうでもよかった。「ナナ!」「お兄ちゃん……!」ハッチの向こうから、ナナが僕の胸に飛び込んできた。懐かしい、妹の温もり。その小さな体を、僕は壊れそうなほど強く抱きしめた。「よく生きていてくれた。本当に、本当によかった……」「うん、お兄ちゃんに会いたくて、ずっと探してたんだよ」ナナは僕の肩に顔を埋めながら、鈴を転がすような可愛い声で言った。地上の地獄を生き抜いた妹と、ついに再会できた。これからはこの安全なシェルターで、また家族一緒に幸せに暮らせるんだ。これ以上ない、最高のハッピーエンドだった。












































おしまい
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