だから
5,287字 · 約11分
私、中2の菜奈は眠かった。とにかく眠かった。
それでも今日は学校だ。目をこすって学校まで起きた。ここからはルーティーンだ。
下駄箱から、職員室に配布プリントを取りに行き自クラスの2-Aへ。友達と軽い挨拶を交わし着席。授業を受け帰る。ずっと変わらない日々。こんな日々が好きだったのに世界とは残酷なものだ。私はイレギュラーに弱いというのに。心のなかで神様に舌打ちをして「それ」に目をやる。「それ」には達筆で「777」と書いてある。それだけ。今日朝起きたら枕元にあった。本当にそれだけだ。でもかえって777しか書いて無いのが怖い。それが気になって今日の授業など身につかなかった。
私はイラついていた。正直、他人のことなどどうでもいいのだが今朝枕元にあった私でも、母の字でもないあの「777」のせいで。
何がラッキーだよ、と心のなかで愚痴を言いながら下校する。でもよく考えたらそれだけなんだよな、それ以外何もなかったし気にすることもないのかな、などと思考を巡らせながらいつの間にか家に着いていた。
極力ルーティーンを崩したくないので、いつも通り私は軽くシャワーを浴び、着替えて宿題をし、ご飯を食べて寝る。
それでも777は頭にこびりついて好きなテレビも、ゲームも集中できず、寝れなかった。
スマホを手にとり48°身体を傾けて時間を見た。
2:30だ。いつも11:00には寝てる菜奈にとってそれは耐え難い苦痛だった。そんなことを思いながらスマホを元の場所に戻したそのとき、ものすごい音がした。
またか、で、今日も眠れないのか。
そんな苛立ちは自室からリビングにおりたその瞬間に消えた。
強盗だ。手にはナイフを持っている。その胸元には777と書かれていた。息を呑んだ。警察に通報しようとしたが、手元にスマホがない。部屋においてきた。
すると奥から母親の財布を持った強盗が2人出てきた。強盗は3人だった。
手には同じようにナイフを持っていた。
私は怖くなってその場に倒れ込んだ。そのとき大きい音がした。母親に何か会ったのか、と思っていたが強盗は菜奈を見ていた。バレた。なんで?もしかしてさっきなったあの音は私が倒れ込んだときになったものなのでは?
だから菜奈は走った。でも運動音痴の菜奈が逃げられるはずもなく捕まった。
時計はすでに4:00をこしていた。私たちはトラックの荷台の中だ。こんな漫画とかアニメにしか無いような感じの展開ってあるのか、と感心している場合ではない。
母親は虚空を見つめていた。哀れになってきて大丈夫?と声をかけた。
返答は、ない。
私は短気なのだろう。強盗に襲われさらわれたせいか、母親にも若干キレていた。ちゃんと防犯対策していればこんなことにはならなかったはずだ。
トラックが止まった。荷台から降ろされるとそこには警察がいた。
助かった?と思ったのもつかの間この777たちの仲間だった。どうやら警察になりすましていたらしい。
漫画とかアニメとかならここは強盗たちのアジトとかいう流れだが、その小さくてボロボロの家はそうは見えなかった。
中に入れられた私は更に絶望した。友達の結稀がいるまさか結稀まで捕まってると思わなかった。文で見ると大分落ち着いてるように見えるかもしれないが私は結構焦っていたし驚いていた。
結稀は半べそかいててこちらに気づく様子もなかった。しょうがない。強盗の上にさらわれるなんて恐怖体験をしたらこうなるだろう。
そこに強盗が喋りかけに来た。
「今の気持ちはどう?皆」
あ”?腹立つなコイツ。そんなんわかりきってることだろうが。
「帰りたいです...命は助けて下さい...」とドラマとかで最初に殺されるやつのセリフを結稀が震えて吐いた。
「そうだよね。わかるわかる」
あ”?腹立つなコイツ。
「じゃあこうしよう」と強盗が口を開いた。
「今僕ら4人を覗除いて今ここには5人いるね?」
私に気づいていない 結稀が「え?」という顔をしている。こちらをみてやっと気づいた。遅ぇよ。
「あ、今気づいたんだね まぁそれは一旦置いといて、君たちのうち1人が死ぬなら、他の4人は見逃してあげるよ」
あ”?
「あと24時間後まで待ってあげるからじっくり話し合いな。」
うちは母子家庭だから母親が挙手したら私は助かってもこれから生きていける自信などない。だから策を立てた。
結稀を売るクズ発言をして、結稀両親はもちろん、親からも見捨ててもらって私が挙手して死のう。
死ぬのが怖くないわけじゃないけど誰も傷つかずに終わるならそれが一番だ。心残りとかないし。
時間は残り22時間。ここで言わないといけない。...あるな心残り。うちの父親は死んだ、とされていたけれどそれにしてはいろいろ不自然だった。なにか揉め事があったとしても葬式位には顔を出してもいいだろう。だから、それだけは聞いておきたい。
とりあえず皆寝ようか、それからでも話は遅くない。何かしら脱出する方法があるはず、と結稀父が言ったことにより3時間の仮眠を取ることになった。
私は眠れ、ない。
だから強盗の1人に話しかけた。
「何が目的なんですか」
「金」
間髪入れずにそう答えてきた。親切だな。そう気ままに言ってる暇なんて、ない。
「じゃあ、なんでわざわざ誘拐なんてしたんですか」
金だけが目的ならあの場で私たちを誘拐しようという考えにはならないはず、と思っていると
「何ってお前らに恨みがあるからにきまってんだろ」
何を言ってるんだコイツ
「その顔、理解できてねぇな... というかもしかして何も知らないのか?」
つい頷いてしまった。
「そうか。じゃあ絶望を味わってもらうためにも説明してやるよ。」
「まず、お前ら5人は血縁だ。どういうことかって、お前の父親の妹がそこのガキ...結稀とか言ったか? の、母親だ。 確かにそこの妹は何もしてねぇし恨みもねぇ。でもな、お前の父親が言ったんだ『俺の血縁を殺せ』ってな」
ほとんど、意味がわからなかった。結稀と血縁...?何を言ってるんだコイツ。
「さらに結稀の父親はこっち側だ。残念だったな。実質4人で話し合うことになるんだよ。そしてお前の父親、智樹はこの777の設立者だ。」
は?結稀のお父さんがグルでうちのクソ親父がこの強盗たちの束ね親...?
「...なんかうちの父親が生きてるみたいな言い草ですね」
「まあ実際生きてるしな。あ、ちょっと待ってろ。」
その瞬間叫び声が聞こえた。結稀の母親の声だ。何があったんだ?と思って素直に強盗を待っていると、血まみれになって帰ってきた。考えたくもないが
「...殺したの?結稀のお母さんを...」
「そうだが?」
息を呑んだ。今まで以上にない恐怖を味わった。喉にナイフを近づけられたみたいだ。自分の鼓動が聞こえる。もう声が出ない。
それでも振り絞って聞いた。
「なんで」
「1人で逃げようとしていたからな。」
あまりの衝撃にいろいろ入ってこなくなった。結稀のお母さんが結稀を見捨てたってこと...?じゃあもう結稀は1人...?
「なんでそんな事ができるの?」
「智樹がやれと言ったからだな」
「さっきからなんなの!?お父さんいるの!?」
「はっこの距離で気づかねぇことあるんだ。」
「...どうゆうこと?」
「俺が智樹だよ。 死んだことになってるんだっけ?」
は? は?は?は?
「俺と離婚して栗死んでる時もお前ら4人ヘラヘラ過ごしやがって。」
脳の整理がついた。つまり逆恨みだ。自分で虐待して、離婚して警察の世話になって平和に過ごしてる私たちに恨みを持ったんだ。結稀の父親とグルだから場所もわかった。 なら結稀とお母さんがが可哀想で仕方がない。あと5時間。なんとかしてこの2人を助け出そうと思った。でも次の瞬間絶望が襲いかかった。
「菜奈。あんたが死んで。」
それは母の声だった。そんなことを言われると思ってなかった。
「あんた、いつもそこにいるだけで何もしないし、グズだし使えないじゃない。どうせアイツの子なら死んじまえよ」
眼の前に居ますけど、あんたの元夫。
結稀の口から声が出た。「最低だね。」
起きてたんだ。ホッとした。でも次の瞬間信じられない光景が起こった。
「そんなので母親と呼ばれるなら死んじゃえ!!」
私はあんなことを言われた直前だから死んでもらってもかまわなかった。でもそれ以上に普段おとなしい結稀の口からその言葉が出ることに驚いていた。
「いいよ。殺してあげる」
父親、いや、智樹がそういった。声が出なかった。母親が殺されるまでを見るしかなかった。
もう私と結稀の2人だけだ、結稀父親はすでに消えていた。グルだったしもうどうでもいい。私は腹をくくった。
「結稀、あのさ、私...」
「菜奈、覚えてる?」
そんな言葉に遮られた。腹をくくったのに。
「2年前。小6の時。菜奈が私と友だちになってくれた日の事。」
覚えて.....る...?多分。確か結稀がいじめられてたはずだ。それを庇った。
「あの時ほんとうにうれしかった。でもね、もうどうでもいいやそんな事。」
え?
「あ、これを持って。」と、手紙を渡された。
「それ読まないでね」
それはいいのだけれどこれからどうするのだろうと、考えていると、
「智樹さん?でしたっけ。どうやら菜奈が死んでくれるらしいのでお願いしてもいいですか?」
え?
「いいぞ」
え?
「せっかくなので私の手で殺してもいいですか?」
え?
「ああ」
「じゃあ1時間ほど時間を下さい」
「いいぞ」
沈黙が訪れた。どうゆうこと?私と結稀がそのばに残され智樹が席を外した。わざわざ席外してくれるの優しいな。
「じゃね菜奈」
その一言で我に返った
「あのときは嬉しかったよ。でも過去の話だから。バイバイっ!」
ドアから出て、崖に突き落とされた。
結稀は笑っていた。それが最後に見た光景だった。
30分くらいだろうか。それぐらい立ってから目が冷めた。ここはどこだろう。
私、生きてる?それとも死んでる?試しに頬をつねったが痛い。生きているらしい。それじゃあ結稀は...?不意にポケットから何かが落ちた。
結稀がくれた手紙だ。
以下内容を書く。
菜奈!どう元気?これを見たということは助かってるってことでしょ?よかった!私が犠牲になるから菜奈は幸せに生きて!多分これから私は菜奈を崖に突き落とす。だからアジトのそこら辺に落ちてた鉛筆で伝えたいことをここに書くね!まずありがとう。菜奈には感謝してもしきれないよ!あの時庇ってくれたのは菜奈が初めてだった。だから私は嬉しかったし、菜奈に好感を抱いた。感謝、尊敬、してもしきれないくらいに。 だから恩返し!私が死ぬよ。でもそんなこと言っても優しい菜奈が承諾するわけない。だからあんなことまで言った。しかも菜奈のお母さんまで殺させちゃった。恩返しじゃないね。仇で返してるね。ごねんね。言い訳はできないよ。事実だから。でもあんなことを言うお母さんを私は許せなかったんだ。ごめんね。
それにしてもまさか菜奈と血縁だと思わなかった!いとこだったんだね!
でも私はいまから死んじゃうだろうからこの喜びは文字としてしか表せないのが悲しいよ。
さいごに、今までありがとう。ほんとうにありがとう。私は霊として見守ってるよ。私の分まで楽しく生きてね!すぐにこっちに来たら叩くよ!
結稀
私は無意識に涙がこぼれていた。神様。どうせいないのだろうけど神様。もしよければ、本当にいるのなら、お願いです。結稀を生き返らせて下さい。
すると蝶が私の手に止まった。結稀の大好きなモンシロチョウだ
「...結稀なの...?」
蝶を見つめた言った。
「ははっ そんなわけ無いか。」
「じゃあね 絶対生き抜いてね」
たしかにそう聞こえた。結稀の声で。だから私は今も生きる。そう決めたんだ。
あとがき
小説作るのとか苦手でところどころ文がおかしいです。こんなクソみたいな小説読んでくれてありがとうございました!
機会があったら他にも作ってみようかな、と思っています!
P.S.
ちなみにもともと結稀は刺されて死ぬ予定でした。結稀ごめん。