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えよたん
読み切り
記憶喪失系です。あとがきを見てからもう1度読むとわかりやすいと思います。
テンポ早すぎると思いますが、初めて小説書くから許してください。語彙力ないです。
読み終わった用のあとがきです。ネタバレですので必ず読み終わったら読んでください。
https://collapse.jp/novels/778/1
3,622字 約8分 32 PV

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3,622字 · 約8分
「...んっ...ここはどこだ?俺は一体...誰なんだ?」
見知らぬ病院のベッドで目が覚めた。
「おお、目が覚めたか。お前、路地で倒れてたんだぞ?」
知らない男性がそう話しかけてくる。
「あなたは誰なんですか?ここは?」
俺がそう尋ねると、彼はこう答えた。
「俺は山田太郎、初めましてだな。さっき俺は誰だ?って言ってたし、もしかして記憶ないのか?」
「はい...記憶が曖昧で、言葉や生活に必要な行動は覚えてるんですけど、他を一切覚えてなくて...」
俺がそう答えると、山田太郎と名乗った男は、この世界にはごく一部の人間にだけ能力と呼ばれるものがあること、その中でも1人だけ、強すぎる能力で世界を支配したこと、その支配した女は現在行方が分からないことを教えてくれた。
「へぇ...物騒な世の中ですね。全く。俺はその人、嫌いかもです。」
「まあな...能力なんてのがあるから世界は大混乱さ...そして、その女の名前は白音えよ。紫の短髪が特徴で、一人称は私。詳細は分からないが最強の能力を持っている。」
「最強...山田太郎さんは、能力持ってるんですか?」
「俺か?俺は持ってない。持ってない方が身のためだな。あの女に狙われる。」
「そうなんですね...」
とりあえず色々分かったところで、俺は大きな疑問を口にした。
「俺って、一体誰なんですかね?」
「知らん。見たことがない。でも、黄色の長髪の男なんてなかなか居ないだろ。記憶なんてすぐ戻るんじゃないのか?」
「...そうですね、そう信じたいです。」
まずは記憶を取り戻すのが最優先だな。
どうすれば記憶を取り戻せるのだろうか。
そう悩んでいると、彼が俺の心を読んだように答えを返す。
「まずはこいつの所に向かってみるといい。こいつはライチと名乗っていて、軽くだが記憶を操作することが出来るんだ。こいつに頼めば何か分かるかもな。住所はここに書いてある。」
おお、なんて都合のいい展開なんだ。
こんなの小説か漫画でしかなさそうだな。
そんなことを思いながら俺は
「ありがとうございます。向かってみます。」
と感謝を伝えて、スマートフォンを開こうとした。
...パスワードが、分からない。
これは困ったな。テキトーに入力してみるか?
0...5...0...2...っと。え?開いた?
何故なのか分からないが、パッと思いついた数字を入力したら開いた。
疑問に思ったが、記憶を取り戻すのが最優先なので気にしないことにした。
「行ってみます、山田太郎さん、ありがとうございました。」
「おう、気をつけてな。」
そうして俺はマップを頼りにライチと言う人物の住んでいる場所へと向かった。
しばらく歩いていると、少し小さな一軒家を見つけた。
「ここか...」
インターホンがあったので押してみることにした。ピンポーン。
すると、背の高い女性が扉を開けた。
「...君が山田太郎が言ってた記憶喪失のやつか。」
太郎さん、俺が移動してる間に連絡してくれてたんだ。
そんなことを思いながら言葉を返す。
「そうです。山田太郎さんにここへ向かえと言われたので、来てみました。」
「分かった、入れ。」
そう言われたので家に入ることにした。
「ついてこい。」
ついていくと、1つの部屋に連れ来られた。
机が1つあって、向かい並びに椅子が2つ置いてあるだけの部屋だった。
「あの...ここは?」
「ここにあまり意味はない。座れるところがいいだろうと思ってな。この部屋にしただけだ。座れ。」
大人しく座ることにした。
「記憶、戻るんですか?」
「完全には戻らない。私が操作できる記憶はあくまで一部だ。だから今から操作して断片的に思い出させる。行くぞ。」
「え?待ってください、まだ心の準備が...」
言い終わる前に、私の視界が闇に落ちた。
次に視界が戻った時、とある記憶が蘇って来た。
それは、いじめ。私がいじめられていた時の頃の記憶だ。
「少しいい能力持ってるからっていい気になるなよ」
そう言われ、集団で殴られ続けた。
私はこの生活に嫌気が刺していた。もうたくさんだった。
そして、いつものように殴られていた私は、とあることを思いついた。
「この能力で、こいつらに仕返しをしてやろう。」
と。なんで今まで思いつかなかったんだろう。しかも、この能力があれば私は世界が敵でも問題ない。所謂無敵だ。
そう考えた私は、早速行動に移し、ずっといじめてきたやつらを殺した。
その時、思いついた
「このままみんなに思い知らせて、2度といじめられないようにしよう。」
そう決意したところで、記憶は終わった。
「...俺は。いじめられていた。」
「そうみたいね、しかもいじめられていた相手を能力で殺しちゃった。どんな能力かは見る限りじゃ分からないけどね。」
能力のヒントがあるはずだ...いじめていた奴らは非力な俺に油断して強烈なパンチを頭に浴びてそのまま死んだ。非力なのにそんな力が出せるもんなのか?
まあ今は力があるし今なら分からないが、あの頃は少なくとも力がないように見えた。非力なのに強力...!?そう言うことか?
俺は思いついた。自分の能力と言うのもあるからか、案外早く思いついた。
しかも、これが本当なら、記憶も取り戻せる。
「ライチさん、色々分かった気がします。ありがとうございます。」
「何か分かったなら良かった、何か困ったらまた来るといい。」
「はい、何かあったら頼らせてもらいます。それでは。」
そうして俺は人気のないところへ向かい、とあることを実行する。
推測があっていれば、俺に対して能力を発動すれば記憶が戻るはずだ。
「やってみよう。能力、発動!」
俺がそう言葉にすると、体に変化が起きた。
「...あれ?失敗か?」
体は徐々に丸みを帯びた体つきになり、髪が縮んで紫に変色して行く。
それと同時に記憶もだんだん戻ってくる。
「...!?そうか、俺は。いや、私は...」
「しくじった。もう私は別の人間として生きる道はなかったみたいだ。」
そうして姿は完全に戻る。
そう、私は白音えよだったのだ。
私は、私が嫌いだった。
いじめられている私も嫌だったし、それでしばらく引きこもっていた私も嫌だった。
だから、いっそこの能力でいじめて来た奴らを見返すために世界を変えた。
しかし、世界を変えたところで私は私だった。
これでは意味がない。
そこで更に思いついたのだ。
変わった世界で別人として生きようと、と。
しかし、「俺」が記憶を取り戻してしまったため、もう別人としては生きられない。
「私」は「俺」として生きることが許されなかった。
もういい、諦めよう。この人生も。何もかも。
そう思い、私に力を使おうと思った時。
「本当に、それでいいのか?」
と、俺に止められてしまった。
俺は私であって私じゃない。もう1人の人間のようなものだ。
記憶が戻ったとはいえ、俺が消えるわけじゃない。
「本当に、諦めてもいいのか?お前が変えた世界だぞ。お前は誰にも負けない最強として生きてるんだ。どこが不満なんだ?」
その問いに、私は
「結局は、それだけじゃないか。私は私が嫌いなんだよ。どんなに強くて、世界を変える力があっても、結局それは私。嫌いなのは変わらない。だから、もういいんだよ。」
「...じゃあ、お前は俺として生きろよ。」
「...は?何を言ってるんだ?お前。さっきしくじったって言ったはずだが...」
「俺はお前とは違う。別の人間だろ?だったら、俺の見た目で生活すればもうお前じゃない。記憶はあるかもしれないがそれは前世の記憶みたいなもんだろ?それじゃダメなのか?」
「でも、それだとお前は消えてしまう。それをしたらお前は戻らない。いいのか?」
「いいさ。どうせ、お前から生まれたしな。」
...それでいいのなら、そうするしかない。
そうして、私は能力を使って...


しばらく時間が経ったが、世界を支配した女はまだ見つかっていない。
せっかく変わった世界も、少しずつ元に戻って来てしまっている。
きっと、あいつがあの提案をしていなかったら、私は世界ごと道連れにして死んでいただろう。
私が変えた世界で生きる、と言うことは出来なかったが少なくとも「白音えよ」ではなくなった。それだけで満足だ。
あいつはもう戻ってはくれないが、元々数人しか知らないのだ。
見た目はあいつだが中身は違うしな。
そうして今日も食い繋ぐために仕事へ出かける。
あいつのためにも、生きてやろう。

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