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HOUOUmaru
読み切り
わしがこないだ見た夢に色々付け足して書いたものじゃ。
注意
・この文章に出てくる『私』と『HOUOUmaru』は全くの別人物じゃ
・文章構成や日本語、語彙力がおかしい可能性大
・ふいくしょーんというものじゃ。
・暇な時に見るべし
3,225字 約7分 43 PV

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晩夏光

3,225字 · 約7分
    ありがとう。 █████


  蝉の声が聴こえ始めて数週間が経った。私は学校から登下校する時、少し大きな坂を通っている。ごく普通の下り坂だ。そこまで急な坂ではないが、かといって穏やかでもない。私は家に帰る時、坂に差し掛かる前に見える町の景色が好きで、毎日10分ほど立ち止まっては眺めている。そして、その後、下り坂を速めに歩き始めるまでが私の日課だ。

 今日もあの景色を見よう。空は、水色とオレンジ色の境界をごまかすように、少しの層積雲を動かしている。私はいつもの坂に差し掛かり、町の風景を眺めた。その瞬間だった。───人が浮いている? そう見えてしまった。300mくらいの距離だったのではっきりとは見えないが、確信出来る。あれは人だ。何度も瞬きをしてみるが、どう見てもあれは人だ。服装は濃い緑色のズボンに、白いシャツ、その上から黒いジャンパーを着ているように見える。影で分かりにくいが、若干肌らしきものも確認できる。地面から人らしき何かまでの高さは、ぱっと見では分からないが、少なくとも70mは超えていそうだ。手を振ったり呼んだりもしたが、特に反応はない。

 私はしばらく考えて実際にありえそうなことを考えてみる。人型の風船か?いや、この辺の田舎ではありえない。それに糸らしきものは見えないし、人らしき何かはピタッと止まっている。よーく見ても、動いているようには見えない………時間は大丈夫なのか? はっとして空を見ると、空はさっきより暗くなっていた。夜に詳しく考えよう。そう思い、いまだに微動だにしない人らしき何かをその場に残して、私は家に向かった。

 家に着くと、いつもより約30分も帰りが遅くなっていた。家にいたお母さんには適当な理由を押しつけて、私は晩ご飯の手伝いを始めた。特に変わったことは今のところないが、あの人らしき何かのことで頭がいっぱいだ。さっさと晩ご飯と風呂を済ませて、あの人らしき何かのことについて調べよう。そう思った私は、手を合わせて、おいしいご飯を食べ始めた。

 ………なぜだ? ネット検索を試してもそれらしきイベントや心霊現象などは出てこなかった。もしかしたら私の疲れがたまっている可能性もあるなと思いつつ、時計を見た。2つの針は、20時37分を指す。ほどよい時間だと判断した私は布団に入り、目を閉じて意識を体に預けた。

 朝日に照らされていることに気づいた。精一杯体を起こし、欠伸をする。少し朝日を浴びたら、布団を片づけ、1階に向かう。ある程度朝の手伝いをしたら、リビングに『いただきます』の一言が響く。なんだか気分がいい。きっといつもより寝たからだろう。さっき見た夢は……そう考えている内に朝食を食べ終え、学校に行く準備を始める。今日は登校するついでに人らしき何かがあるのかを見てみよう──そう思った。

 登校中、いつもの坂に着き、上に向かって歩き出す。正直あの人らしき何かはもういないと思っているが、いる可能性も考えられるなと思いつつまた1歩、歩き出す。空から降り注ぐまぶしい夏の日差しと、足元から伝わる温かい地面を感じる。坂を上り終えた私は、深呼吸をした。なぜ深呼吸をしたのかは分からないが、段々とあの人らしき何かがいるような気がしてきた。そして意を決してあの景色を見ると、案の定、ちゃんといた。ポツンと、そこにいた。ちょっと安心している自分がいて、なんだか懐かしい気分になった。……懐かしい?? 一体どうしてだ? 私はあの人らしき何か本人に会ったことがあるのか? 私は疑問に囲まれながらも、記憶をたどってみる………思い出せない。私は一体何に懐かしいと感じたのだろう。気づいた頃には、再び歩き出していた。

 学校についた私は、あの出来事のことを隠しつつ、友達に聞いてみることにした。結果は予想出来るが、私は話しかける。
「○○は、人のような風船を見たことあるかい?」
正直無謀だと思った。そう思った頃には返事が来た。
「なんだそれ?」
それが普通の反応だろう。友達から怪しまれる前に私は喋った。
「前にそんな風船が出てくる夢を見たんだ。」
夢という言葉は非常に便利だ。そう思いながら、私は会話を続けた。



  それからというもの、これといった手掛かりは見つかることはなかった。強いていえば、人らしき何かは私には見えて、友達や近所の人には見えないということだ。次第に人らしき何かがいる生活に慣れていき、蝉の声は小さくなり始めていた。


 朝が寒かった。その日は、いつもより帰りが早かった。今日は、あの人らしき何かと町の景色を見ようと坂に向かって歩いている。今でも雨が降りそうな空は、少しだけ青色を見せている。ぼーっと歩いていると、いつもの坂に着いた。ふらっと私の町を眺めると、空と山、町、そして……いない。ポツンと人らしき何かがいた場所は、何の変哲もない空になっていた。他の場所を見渡してみるが、どこにもいない。…本来の日常に戻った。そう考えることにした。しかし、どこか寂しく感じてしまう。いつもの坂は、もう背にしていた。

 晩ご飯の準備をしている。テレビには、天気のニュースが映されていた。明日から全国各地に雨が降るらしい。その直後、テレビには砂嵐が映し出される。お父さんは酒が入ったコップを片手にアンテナに鳥がぶつかったのだろうと話す。30秒ほど待つと、テレビは直った。その瞬間、私は目撃してしまった。砂嵐の中に人の影が一瞬だけ映し出されるのを。少し怖かったなと思いつつ、親に話そうと顔を向けた。視界には、顔に黒い霧のようなものがかかった『人らしき何か』は、そこにいた。

 彼が視界に入った刹那、私は急に頭痛とめまいに襲われた。私はすぐに机に伏せた。気持ち悪い。できるだけ何も考えず、目を閉じた。10分くらい経っただろうか。私は起き上がると、その人影はもうなくなっていた。私は呪われたのだろう。頭が回らない今は、そう考えることしかできなかった。親には日頃の疲れが溜まっていると誤魔化した。2階にある私の部屋で横になりたかったので、私はゆっくりと立ち上がる。少しふらつきつつも廊下を歩き、階段を上った。一歩一歩が重く感じる。やっと私の部屋の前に着き、安堵の息を漏らしながらドアノブを押し込んだ。

 ドアを開いた。再び出会ってしまった。窓の前に、彼はいた。私は熊でも見たかのようにピタッと止まった。そして、───口が見える。さっきは顔全体が黒い霧のような何かに包まれていたが、今は前髪から鼻辺りまでしか包まれていない。そして、なんといっても……笑っている。彼はまるで、嬉しいことがあったかのように笑っていた。私はもう生きられる気がしなかった。ありがとう、お母さん…目を少し細めた瞬間、彼は、さっきよりも口角を上げ、ゆっくりと両手を軽く広げた。

 私は、もう何が何だか分からなくなっていた。なぜだ? どうして? 自分に問いただしても、答えも予想も思いつかない。気づいたら私は、彼に向かって歩き出していた。もうどうでもよくなったのだろう。私は足を止めると、彼の目の前に立っていた。もう人生が終わるのか……諦めた私は、目をつぶった。そうしたら彼は、その広げた両手でそっと、私を包み込んだ。私は、目の前に確かにあるその温もりを感じていた。


再び目を開けると、そこに彼の姿はない。残された窓からは、晩夏光が、あまりに優しく差し込んでいた────



  後日、私はこのことを少し両親に話した。すると、両親は私が1歳の頃に、小6の姉がいたということと、姉は病気で亡くなったことを話してくれた。それならば、あれは私の姉なんだろう。なぜか不思議と納得出来てしまった。私は、姉についてたくさん質問した。
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この作品への感想

くっしーにゃん 2026/09/18 22:57
語彙力がおかしい可能性無
2026/09/17 20:15
面白い。違和感のない真面目な文で、かといって飽きたりはしない物語の構成で、締め方もしっくり来る。
好き。