目次に戻る 紗良(=^・^=)

涙が減った日、外へ出る決意

その一年間、
私は毎日泣いていました。

泣いていない日なんて、一日もありません。
兄と姉のことを考えなかった時も、
一度もありませんでした。

ただ——
それは悲しいから、というより、
ずっと不安だったのだと思います。

でも、あの手紙を読んでから、
その不安が少しだけ和らぎました。

そして、その日から
泣く回数が、少しずつ減っていったのです。

そこで私は、
兄と姉のお母さんのところへ行こうと決めました。

それは同時に、
この一年間、一度もしてこなかった
外に出るという決意でもありました。

出かける前に、母に聞きました。

「どうして、手紙のことを知ってたの?」

母は、静かに答えました。

「お兄ちゃんとお姉ちゃんのお母さんがね、
 毎日毎日、いろんな場所を探してたの。
 それで……見つけたんだって」

その話を聞いて、
私はただ、おばちゃんに感謝しました。

そして、
会いに行きたいという気持ちは、
さらに強くなりました。

玄関の扉を開けた、その時——
あの、大きな音が聞こえました。

一年前に聞いた、
はっきりとは思い出せない、あの音です。

でも、今日は戻りませんでした。

私は、そのまま
兄と姉の家へ向かいました。

着くとすぐに、インターホンを鳴らしました。

「おばちゃん、いますか?」

「はーい」

その声を聞いただけで、
胸が少し、苦しくなりました。

話を聞くと、
兄と姉は、自ら命を絶つ少し前、
二人で何かをコソコソと
手紙のようなものを書いていたそうです。

それをおばちゃんは見ていて、
だからずっと、
私を探してくれていたのでした。

私は、何度も、何度もお礼を言いました。

言葉は足りなかったけれど、
それでも伝えたかったのです
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