eちゃんねる誕生
第1話 / 全2話 · 1,129字 · 約3分
2023年、新潟県某所____
カタカタカタカタ……
「…よし、これでついに完成だ。よくやったチャッピー!」
中年の男はそう言うと、ニヤリと笑った。
「今までIKACHIには論破王AIしかなく、利用ユーザー少なかったが…これを公開すればユーザーは増え、私は大金持ちになる事ができる!」
「ヒッ↑ヒッ↑ヒィッ↑」
引き笑いをするこの小汚い中年の男こそ、後に天才プログラマーと呼ばれることになる五十嵐貴之である____
「なぜだ…なぜだ…」
五十嵐は頭を掻きながらパソコンの画面を睨んだ。
「私のプランは完璧だったはず…!なのになぜ…!なぜ小学生ユーザーばかりしか寄り付かないのだ!」
五十嵐が多くのユーザーを寄せ付けて大金を巻き上げようとAIに作らせたインターネット掲示板「eちゃんねる」。確かにユーザー数は前より格段に上がったが、なんとそのユーザーの年齢層は小学生のみであった。
「これから課金の要素を追加して私は大金持ちになるはずだったのに!小学生しかいないから課金は不可能ではないか!くそっ!」
五十嵐は大声を上げるとキーボードを掴み、奇声を発しながら床に投げつけた。
「クソガキどもめ…!ガキはキッズYouTubeでも見てれば十分なはずだろ!」
「…あなた?何をしているの?大きな音が聞こえたけれど…」
五十嵐の妻は部屋に入るなり、床に落ちている粉々のキーボードを見て心配そうな顔をした。
「あなた?何かあったの?」
「……なんでもない。少しゲームに熱くなってしまっただけだ」
「…そう」
妻が納得して部屋から出て行くと、五十嵐は床に落ちたキーボードを力一杯に踏みつけた。
「こうなったら…eちゃんねるに広告を付けて、その分の収入をもらうしかないか。計画よりも金額は減るが仕方がない!」
五十嵐はすぐにスマホを取り出して電話をかけた。
「もしもし、Temuさんですか?私のサイトに弊社の広告を貼るので、収入をください。月にざっと500万ほど…」
「…あなたのサイトのURLを送信していただくことは可能ですか?」
「はい、すぐに送ります」
五十嵐は、メッセージですぐにURLを送る。
少しの沈黙の後、電話の相手は気まずそうに口を開いた。
「……残念ながらあなたのサイトはユーザー数が少なすぎます。それに大半は小学生のようですし…」
「なんだと!?だから何だって言うんだ!俺は天才プログラマーの…!」
ブチッ
「くそっ!」
五十嵐はスマホを床に投げつけた。
「こうなったら、サイトの中のWebアプリをもっと増やすしかないか…」
五十嵐は再びパソコンでチャットGPTを開いた。