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うまいちゃん
胆戦心驚一族
本は出版された。
題名は『胆戦心驚一族』。
やがて噂が広まる。
本を読んだ者が、三十を前に事故死する。
門の外から声が聞こえると訴える。
出版社は否定した。偶然だと。
だが私は知っている。
あの手記の意味を。
血縁ではなく、認識こそが継承なのだ。
私は書いた。
読者は読んだ。
そして、渡った。
今日、私は三十になる。
門の外に、立っている。
声がする。
――三十が来る。
違う。
来るのではない。
もう、広がっているんだ。
私は笑った。
「私はもう、一族の最後ではない」と。
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