〜第6章・カルマが襲う〜
第6話 / 全8話 · 3,473字 · 約7分
第31話 地底の要塞
魔女は、俺たちを城へ案内してくれた。昨日の夜は野宿だったため、今日はよく眠れた。
朝、カラスの鳴き声が聞こえて目が覚めた。なんだか体が軽い。だが、平和を目指すという覚悟はしっかりと定まっていた。
魔女によると、次の厄災のコアは、別の次元にあるらしい。
魔女「この先に、厄災の「天秤のコア」がある。けど、強い意志を持っているあなたたちならきっと勝てる。」
そう言って、俺たちを別の次元へ転送してくれた______
暗い...だが、亡者の森のような怖さは全くない。どうやら、ここは地下のようだ。
ニンニン「これがうわさの地底要塞ってやつか。」
さすが情報屋のニンニン。こんな場所まで知っているのか。
ニンニン「ここでは、過去の過ちや黒歴史が形になって襲ってくるらしいから、お前ら気をつけろよ。」
うわー、恥ずかしい黒歴史とか出てきたらどうしよ。
俺たちは正面の門をくぐる。
門の下の足場が崩れ落ち、全員地下深くへ落ちてしまう。罠だ。ていうか、要塞なのに正々堂々正面から突入した俺たちが馬鹿だった。
エリスが風で軽減してくれたため、落下ダメージは受けなかった。前を見ると、そこは迷路のような分かれ道が続いていた...
第32話 重い迷宮
俺たちは、巨大な迷路を歩く...
迷った...
もう、右も左も分からない。そして、ピイの光エネルギーがなければ何も見えない。定期的に、「過去からは逃げられない」という言葉が迷宮に響く...
ピイ「なんだか、体が重い...」
キュウ「僕も...これ以上歩けない、」
振り向くと、2人が苦しそうにしている。俺は大丈夫なようだ。
???「お前たちは、この世界が繰り返されていることを知っている。だが、ここまで隠し続けた...理由などどうでもいい...」
通路の奥から大量の鎖が襲いかかってくる。
火光「風聖解放!セイグリッドブレイド!」
風の斬撃で鎖を断ち切る。しかし、ちぎれた鎖は再び伸びてくる。
火光「おい!このままじゃキリがない!ニンニン!あの煙幕でなんとかならないのか!」
ニンニン「闇の弱点は闇!暗い場所では闇魔法は弱体化するんだよ!」
キュウがなんとか剣を生成する...
キュウ「これでお願いします...」
火光「光剣解放!ライトニングエッジ!」
鎖は綺麗に切れた。そしてそのまま消滅していく。
どうやら、罪を負っている本人の力でしか、この鎖は切れないらしい。
???「火光...」
次は俺の番かっ!!
???「お前...わさび嫌いだな...」
火光「違う!あれは鼻がツーn 」
???「理由などどうでもいい...」
ひん(泣)
鎖が襲いかかる。けどさっきに比べると、攻撃は明らかに軽い。罪の内容によって決まるのか...
???「レジスタント・ノワール...お前には絶大な過ちがある...過去に何度も不正な手を使って情報を盗んでいただろう...そして、お前の本来の役割は「絶望の闇」だ。勝手に「抵抗の闇」に改名したことは大罪だ...あとついでに、旅の仲間にバレないように、趣味の悪い本を読んでニヤニヤしていたことも...」
ニンニン「あ!待てよ!それは言わなくて良いだろ!」
???「理由などどうでもいい...」
ニンニン「ああ!もう!俺のプライドがあぁ!!」
とんでもない量の鎖が襲いかかってくる。
第33話 因果の鎖
ついに鎖を対処しきれず、俺たちは全員鎖に縛られてしまった。もがけばもがくほど、きつく縛られる感覚だ。
そしてそのまま、暗い通路の奥まで引っ張られた______
どれくらい気を失っていただろう...目を開けると、そこは少し明るかった。なんだか知っている風景だ。しかし、思い出せない。俺がここに立つのは初めてな気がする...
前を見ると、高い台の上に天秤を持った、邪悪な角が生えた生き物がこちらを見下ろしている。
思い出した!この場所は、社会の授業で習った裁判所だ!ん?まてよ、裁判所!?俺たち処刑されちゃう!?
因果の悪魔「我は天秤のコアの主、因果の悪魔だ。過ちの罰...逃れるなかれ...」
悪魔が持つ天秤が大きく傾く。それと同時に、ニンニンのコアの黒い光が消えた。
ニンニン「うわ!?なんだこれ!力が使えないぞ!」
因果の悪魔「レイリュウ...」
レイリュウ「なんですか!どんな罰でも受けてやりますよ!」
因果の悪魔「お前は...未だ抱えるべき過ちは犯していない...帰るための扉を用意してやる。この場から去れ。」
レイリュウ「そんなこと出来るわけないじゃないですか!俺は火光さんの1番の相棒ですよ!最後まで戦うって約束したんですよ!」
因果の悪魔「この我に逆らうか...抵抗の罪、この重さを知れ。」
天秤がまた傾く。
レイリュウ「なんだこの重力は!これじゃあ戦えない!ウワアアアアアアアアア!!」
因果の悪魔「エリス...お前の本来の体はそれじゃない...霊として蘇ったお前は、物語が繰り返されることを拒み、全てを終わらせようとした...この罪は永遠に等しい...」
天秤が、今までにないほど大きく傾く。
真っ黒な鎖が、エリスを縛りつけ、宙にぶら下がる...
因果の悪魔「この鎖は永遠に解けない。一生を持って償え。」
俺は最大の力で鎖に斬りかかったが、鎖はあまりにも強く、剣の方が折れてしまった...
絶望的な状況を前に、手が震える...
第34話 覚醒する意志
因果の悪魔「火光...お前は自覚をしているはずだ...まだ、罰を受けるべき過ちを背負っている...平和を目指すという目標を理由に、刻羅、混沌長老、ポセイドンなど、罪の薄い者を殺めた...この残虐感を、再び思い知れ...」
巨大な振動とともに、今まで倒してきた敵が姿を現す。
刻羅の幻「覇刻再降!トワイライト・クロノ!」
混沌長老の幻「混沌再降⭐︎ディストーション・エクリプス!」
ポセイドンの幻「天罰再降!ジェネシス・パルス!」
強烈な技が一気に襲いかかる。
俺は体が震えて、避けられなかった。
ピイとキュウが俺をかばう。
俺はなんとかダメージを回避できたが、ピイとキュウは重傷を負って、立ち上がれない。
因果の悪魔「過ちの罰...逃れるなかれ...」
再び天秤が傾く。次は、禍々しい色の鎖がこちらに飛んできた。
もう、俺以外の仲間はまともに動けない...
こんなところで...
霊魂の魔女の言葉が頭によぎる...
-強い意志を持っているあなたたちならきっと勝てる。-
こんなところで終わってたまるか!!
俺の右腕に、赤色の砂がまとわりつく。
それは次の瞬間、真っ直ぐな光を放ち、正義の大剣を形成した。これは、コロシアムの報酬で見た剣とは違う。しかし、俺はこれが「真の正義の大剣」であることを確信した。
第35話 因果と正義の衝突
正義の大剣は、俺の意志に従うように、襲いかかる鎖を全て断ち切る。
因果の悪魔「馬鹿な...罰を逃れるなど、許されるはずがない!罰を逃れた罪!今度こそ終わりだ!!」
さっきよりも深い黒色の鎖が飛んでくる。
レイリュウ「火光さん!俺は今立ち上がることができませんが、力を送ることなら出来ます!」
この時、初めて俺とレイリュウが共鳴する。
火光「聖炎解放!ノヴァフレイム!」
清い炎の斬撃が、深い黒色の鎖を燃やす。
正義の大剣は、俺の意志に応えるように、周囲に光のオーラを放つ。ピイとキュウの傷が癒えた。さらに、ニンニンのコアは光を取り戻す。
因果の悪魔「ふざけるな!なぜ断ち切られる!もう、こんな天秤いらない!この”天秤のコア”もろとも犠牲にしてお前を裁いてやる!!」
因果の悪魔は、自分でコアにヒビを入れる。
因果の悪魔「厄石降臨!因果の大試練」
体が押しつぶされそうな威圧感だ。
黒い波動がこちらに押し寄せてくる。
火光「聖剣解放!決断の響波」
黒と白の波動が衝突する。
互いの威力が強すぎて、何も見えない。
パリン
厄災のコアが割れる音がした。
エリスを縛りつける鎖は光とともに消滅する。
天秤のコアの破壊により、この次元は崩壊して、あっちの世界へと飛ばされる______
to be continued...