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第10話 / 全11話 · 6,805字 · 約14分
# 第8章 君のとなり

## 1

付き合い始めて、三ヶ月。

週末はほぼ必ずデートをするようになった。映画を観て、カフェに入って、夕方までだらだら話す。他愛もないことばかりなのに、桜と過ごす時間はいつだって特別だった。

「颯太、今日うち来ない?」

そう言ったのは、九月の終わり。まだ暑さの残る日曜日だった。

「……いいの?」

「うん。親、今日いないし」

心臓が、変な跳ね方をした。

## 2

林の部屋は、初めて入った。

白を基調とした部屋。本棚には文庫本がぎっしり。ベッドの上には、この前の夏祭りで取ったぬいぐるみが置いてあった。窓から差し込む午後の光が、部屋全体をやわらかく包んでいる。

「適当に座っていいよ」

そう言われて、ベッドの端に座った。

「なんか、緊張する」

「私も」

二人で笑う。でも、沈黙が一瞬落ちたあと、目が合った瞬間、空気が変わった。

「颯太」

桜の声が、いつもより低くなる。颯太は息を飲んだ。ベッドの上にいるというだけで、何もかもが違って感じられる。桜の肩越しに見える窓の外の空は、もう橙色に染まり始めていた。

「……こっち、来て」

桜が颯太の隣に腰を下ろした。ベッドがわずかに沈む。二人分の体重で、スプリングが小さく軋んだ。

距離は、もうゼロに等しかった。

## 3

どちらからともなく、顔が近づいた。

最初のキスは、触れるだけだった。唇と唇が、そっと重なる。桜の唇は思ったよりも柔らかくて、少しだけ震えていた。リップクリームの、ほのかに甘い味がした。

「……ん」

桜が小さく声を漏らす。その吐息が、颯太の唇をくすぐった。

顔を離すと、桜がじっと颯太を見つめていた。大きな瞳が潤んでいて、それが何を意味するのか、颯太にもわかった。

二度目のキスは、もう少し深かった。

颯太が手を伸ばして、桜の肩に触れる。制服越しの感触。それだけで、指先が熱を持った。桜の体がびくっと震えて、でも逃げなかった。むしろ、わずかに身を乗り出してくる。

唇が離れた。互いの吐息が、狭い空間で混ざり合う。

「……颯太」

桜が名前を呼ぶ。その声が、かすかに上ずっていた。

「好き。大好き」

「……俺も」

もう一度、キスをする。今度は、舌を入れた。

## 4

「んっ……」

桜の口の中は驚くほど温かかった。颯太の舌が桜の舌に触れる。最初はおそるおそる、それからだんだんと大胆に。唾液が混ざる感触が、やけに生々しくて、でもそれが逆に、興奮を高めた。

桜の手が、颯太の胸に触れる。制服のボタンに指がかかる。

「……脱いで、いい?」

桜が聞く。颯太は無言でうなずいた。

まず颯太が自分の制服の上着を脱ぐ。ネクタイを緩めて、ワイシャツのボタンを上から順に外していく。桜はそれを、じっと見つめていた。

「桜も」

「……うん」

桜が立ち上がる。セーラー服のリボンを解く手が、かすかに震えている。颯太はそれを見ながら、自分の下半身が反応し始めているのを自覚した。

リボンがほどけて、セーラー服の上着が床に落ちる。白いブラウスが露わになった。その下の膨らみが、布地を押し上げている。

「手伝うよ」

颯太が言って、桜のブラウスのボタンに手を伸ばす。上から一つずつ、外していった。ボタンが外れるたびに、桜の白い肌がのぞいていく。鎖骨。胸元。ブラジャーの白いレースが見えた。

「……恥ずかしい」

桜が俯く。耳の先が真っ赤だった。

「かわいい」

颯太が思わず口にすると、桜が顔を上げて、怒ったような照れたような表情を見せた。

「ばか」

その声に甘さが混ざっていて、颯太はまた欲情した。

## 5

ベッドに引き寄せるようにして、二人で横たわった。

颯太が上になり、桜が下になる。枕に広がる髪。半開きになった唇。上下する胸。すべてが颯太の視界を埋め尽くす。

「……下も、脱ごうか」

桜が小さくうなずく。

颯太はブラウスを肩から抜いて、腕を抜かせた。次にスカートのホックに手をかける。金属の小さな音がして、ホックが外れた。ファスナーを下ろす。桜が腰を浮かせて、スカートを抜きやすくしてくれる。

スカートが足から抜けると、桜はブラジャーとショーツだけの姿になった。白いレースの下着が、まだあどけなさの残る肌に映える。

桜の肌は白くて、すべすべしていた。腰のくびれが美しく、太ももは健康的な丸みを帯びている。

「……見すぎ」

桜が腕で胸を隠す。

「見たいんだよ」

颯太はそう言って、桜の腕を優しくどけた。

ブラジャーの上から、ゆっくりと胸を撫でる。布越しの感触は、思ったよりも柔らかい。桜が息を詰める。

「……っ」

「痛い?」

「ううん……気持ちいい、かも」

颯太はブラジャーのホックに手を回した。少し手間取ったが、なんとか外す。肩からストラップが落ちて、胸が露わになった。

白い肌の上に、淡いピンク色の突起がふたつ。まだ触れてもいないのに、かすかに硬くなり始めている。

「きれいだ」

颯太が言うと、桜はますます赤くなった。

## 6

颯太は右手を伸ばして、桜の右胸に触れた。

「あっ……」

桜の口から、声が漏れる。

手のひら全体で、ゆっくりと包み込む。柔らかさと弾力が、指の間に伝わってくる。サイズは手のひらにちょうど収まるくらい。触っているだけで、颯太の心臓は激しく脈打った。

優しく揉む。すると桜が「んっ」と声を上げ、背中をわずかに反らせた。

「ここ、気持ちいい?」

「……うん、でも、ちょっと、変な感じもする」

「どう変?」

「なんか……じんじんする」

颯太は指先で、桜の乳首に触れた。

「ひゃっ……!」

桜の体が大きく跳ねる。

「や、やだ、そこ、すごい感じる」

それで颯太は確信した。ここが桜の弱いところだ。

人差し指と中指で、そっと摘まむ。弾力のある感触。親指の腹で、つんつんとつつく。

「あっ、あ……や、だめ……」

「だめ?」

「ちが、だめじゃない、けど……すごい、力入んない」

桜がシーツを握りしめる。その仕草がいやらしくて、颯太はまた興奮した。

今度は口で、左の胸の先端に触れてみる。舌先でちろちろと舐める。桜がびくんと震えた。

「ああっ、颯太、そこ……」

唇で包み込んで、吸う。

「んんっ……!」

桜が頭をのけぞらせる。腰がわずかに浮いた。その反応が嬉しくて、颯太は夢中で桜の胸を愛撫し続けた。吸って、舐めて、指でもう片方をこねる。数分も経たないうちに、桜の声はだんだん大きくなっていった。

「颯太……も、やばい……なんか、お腹の下が……」

桜がもじもじと太ももをすり合わせる。ショーツの中心に、かすかな湿りの跡が広がっていた。

## 7

「これ、脱ごうか」

颯太がショーツに指をかける。桜は恥ずかしそうにうつむきながらも、腰を浮かせてくれた。

白いショーツを太ももから抜き取る。そのとき、桜の秘部と股の間から、透明な液体が細く糸を引いた。

桜のすべてが、颯太の前に晒された。

脚の付け根には、薄くて柔らかそうな陰毛が生えている。その奥に、淡いピンク色の割れ目が見えた。すでに濡れていて、内側がかすかに光っている。

「……恥ずかしすぎて、死にそう」

桜が両手で顔を覆う。

「かわいいよ。全部」

颯太は本当にそう思った。

## 8

「俺も脱ぐ」

颯太は立ち上がり、ズボンと下着を一気に脱ぎ捨てた。

勃起したものが露わになる。思春期の高校生としては標準より少し大きいくらい。先端はすでに濡れていて、桜の姿を見ただけでこんなになっているのがバレバレだった。

桜がそれをじっと見つめて、ごくりと唾を飲み込んだ。

「……おっきい」

「そう?」

「うん……これ、入るの?」

桜の声が震えている。不安と期待が混ざったような表情。颯太は再びベッドに上がり、桜の横に座った。

「大丈夫。ゆっくりするから」

## 9

颯太はまず、桜の脚の間に手を伸ばした。

指が、湿った部分に触れる。

「んっ……」

指先が、柔らかいひだに埋もれていく。熱い。想像していたよりもずっと熱くて、中はとろりと潤んでいた。

「すごい濡れてる」

「や、言わないで……恥ずかしい」

颯太は中指で、割れ目の上にある小さな突起を探った。皮をかぶったそれに触れると、桜の反応が劇的に変わる。

「あっ! そこっ!」

「ここ?」

「うん、そこ……!」

颯太が指の腹で、くるくると優しく刺激する。桜の腰がくねり始めた。声がだんだん甘くなっていく。

「あ、ああっ……颯太、気持ちい……やばい、やばいかも……」

桜の息が荒くなる。颯太は指を動かしながら、もう一方の手で桜の胸を揉んだ。二つの場所を同時に責められて、桜はもう何も考えられない様子だった。

「はあっ、はあっ……あ、ああっ——!」

桜の体がビクビクと痙攣し、背中が弓なりになった。脚が勝手に閉じようとするのを、颯太は押さえる。

「イった?」

「……うん……はじめて、だと思う……」

桜が荒い息の下で答える。顔も、胸も、耳まで赤く染まっていた。

「颯太の指でイっちゃった」

その言葉に、颯太のものはさらに硬くなった。

## 10

「……いれる?」

颯太が聞くと、桜がうなずく。その目はもう、不安よりも期待の色のほうが濃かった。

「ゆっくりね」

颯太は桜の脚を開いて、その間に身を置いた。先端を、桜の入り口にあてがう。ぬるぬるとした感触が亀頭を包む。

「いくよ」

「うん……きて」

腰を、ゆっくりと前に進める。

「……あっ」

桜が息を詰める。颯太の先端が、入り口を押し広げていく。狭い。信じられないくらい狭くて、熱い。締めつけられる感覚に、颯太も思わず声を漏らした。

「……っ、大丈夫?」

「う、うん……ちょっと、痛いかも」

颯太が止まると、桜が首を振った。

「……続けて。平気だから」

さらに奥へ進める。半分ほど入ったところで、桜がぎゅっとシーツを握りしめた。なにか抵抗があるのがわかる。

「……ここ、か」

「うん……怖い」

「大丈夫。一気にいくから」

颯太は桜の手を握った。桜が握り返してくる。

「好きだよ」

「……私も」

颯太は腰を、一気に奥まで押し込んだ。

「——っっ!!」

桜の口から引きつったような声が漏れる。身体が強張り、涙が一粒、目尻からこぼれた。

「……全部、入った」

颯太が言うと、桜は涙をぬぐいながら、弱々しく笑った。

「……颯太の、中にいる」

「痛い?」

「うん……ちょっと。でも、嬉しい」

## 11

しばらくそのまま動かずにいた。桜の中が、少しずつ颯太の形に馴染んでいくのがわかる。熱くて、柔らかくて、脈打っている。

「動いても……大丈夫、そう?」

「うん。ゆっくり、なら」

颯太は慎重に腰を引いて、また前に戻した。

「あっ……」

わずかな動きで、桜が反応する。先ほどまでの痛そうな表情が、少しずつ違うものに変わっていく。

「……なんか、さっきと違う、かも」

「どう違う?」

「……痛いだけじゃなくて、きもちい……かも」

その言葉に、颯太は勇気づけられた。リズムを作って、少しずつピストンを繰り返す。一回ごとに、桜の中が颯太をきつく締めつけてくる。

「あっ、あっ……颯太……」

桜の声がリズムに合わせて揺れる。その声がだんだん甘くなって、腰の動きもわずかに応えるようになってきた。

颯太は桜の腰に手を添えて、だんだんと速くしていく。ベッドが規則的にきしむ音。結合部から聞こえる濡れた音。桜の切ない吐息。

「桜……気持ちいい」

「うん……私も、きもちい……もっと、して……」

求められて、颯太はさらに激しく腰を動かした。

「ああっ、あっ、あっ……すごい、すごいよ颯太……」

桜の膣がひくひくと痙攣し始める。二度目の絶頂が近いのがわかった。颯太自身も、限界が近い。

「俺、もう……」

「いいよ……中に、出して……」

桜のその言葉に、颯太の理性は完全に吹き飛んだ。最後の数回を強く突いて、最も奥深くで果てる。

どくどくと、熱いものが桜の中に注がれていく。その感覚に、桜もまた達した。

「あああっ——!!」

桜の体が大きく跳ね、膣が激しく収縮して颯太のものを締めつける。長い絶頂のあと、二人同時に脱力した。

## 12

颯太が体を起こし、ゆっくりと抜いた。結合部から、白く濁った液体がとろりと溢れてシーツを濡らす。

桜はまだ、荒い息を繰り返していた。目尻の涙と、だらしなく緩んだ口元と、赤く染まった全身。そのすべてを颯太は見つめながら、言葉にならない充実感に包まれていた。

「……大丈夫?」

「うん……すごかった」

桜が、ふにゃりと笑う。

「颯太、好き」

「俺も好きだよ」

颯太は桜の隣に横たわり、そっと抱きしめた。汗で湿った肌と肌がぴったりとくっつく。桜の小さな体が、颯太の腕の中にすっぽりと収まった。

「……これで、私、颯太のものになれた?」

「最初から俺のものだよ」

桜が嬉しそうに笑って、颯太の胸に顔をうずめる。

「あったかい」

しばらくそのままでいた。遠くで救急車のサイレンが聞こえたけれど、この部屋の中だけは、別の世界みたいだった。

「……颯太」

しばらくして、桜が小さな声で言った。

「もう一回、したい」

その言葉に、颯太のものはまた反応し始めていた。

## 13

二度目は、もう少し長く、深く。

桜の中はまだ颯太の精液で濡れていて、最初よりもずっとスムーズに入っていった。一度経験したことで、桜のほうにも余裕が出ていた。

「あっ、ん……はぁ……颯太、きもちい……」

今度は正面からだけではなく、横向きになって背後から抱いたり、桜を上に乗せてみたり。体位を変えるたびに、違う角度から桜の中の感触を味わった。

特に、桜が上になったとき。

「こう……? 颯太、どう?」

桜が戸惑いながらも、自分で腰を動かす。恥ずかしがりながらも一生懸命なその姿が、堪らなくいやらしくて可愛かった。

「すごくいい……桜、上手だよ」

「ほんと? 嬉しい……」

桜の動きはぎこちなかったけれど、その不器用さすら愛しかった。

結局、その夜、三度体を重ねた。

最後の時は、もう二人とも限界で。気持ちいいというより、ただ必死に相手を求めて、繋がっていたいという思いだけで動いていた。

## 14

汗と精液と、かすかに血の匂い。

シーツはぐちゃぐちゃだった。

でも、何も気にならなかった。

「疲れた?」

颯太が聞くと、桜は目を閉じたまま「うん」と答える。声にかすかな笑いが混ざっていた。

「でも、すごく、幸せ」

「……俺も」

颯太は桜の髪を撫でた。汗で額に張りついた前髪を、そっと横に流す。

「明日、学校あるよ」

「わかってる」

「起きられる?」

「たぶん無理」

二人で笑った。

窓の外には、いつの間にか満月が浮かんでいた。月明かりが、桜の裸の肩を優しく照らしている。

こうして、九月の終わりの夜、颯太と桜は、初めてすべてを重ねた。

これが、本当の意味で——始まりだった。
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