目次に戻る 紗良(=^・^=)

とある週末

とある週末のことでした。
その日は、兄も姉も家にいると聞いて、私はいつもより急いで家を出ました。

早く会いたくて、理由なんてそれだけだったと思います。

途中で、突然——
大きな音がしました。

今でも、その音が何だったのかははっきり覚えていません。
覚えているのは、
大きな音がしたという事実だけです。

胸がぎゅっとして、怖くなって、
私はそのまま家に戻りました。

母に話すと、
「大丈夫だよ」
そう、あっさり言われました。

あとから聞いた話では、
近くで工事が行われていたそうです。

でも、その時の私は納得できませんでした。
怖さが消えなかったからです。

それでも、少し時間を置けば大丈夫だと思いました。
一時間ほど経ってから、もう一度、兄と姉の家へ向かいました。

——そこで、兄は亡くなっていました。

言葉が、出ませんでした。
驚いた、というより、
何が起きているのか、理解できなかったのだと思います。

怖くなって、私はまた家に帰りました。
それからしばらく、ずっと引きこもっていました。

その間、姉が何かをしていたのを、ぼんやり覚えています。
でも、何をしていたのかは分かりません。

十年前の私は、
それを疑問に思うほどの知識も、判断力も持っていませんでした。

そして、その次の日。
姉も、亡くなりました

それから約一年間、
私は一度も、家の外に出ていません。
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