〈第三話〉学校へ向かう湊の気持ち
しばらく観察してから、
湊は看板に背を向けた。
学校へ向かう道は、
いつもと同じはずなのに、
今日だけは少しだけ違って見えた。
(ものの仕組みは、見れば分かる。
でも、人の気持ちは......)
昨日、クラスで誰かが笑っていた理由が分からず、
胸がざわついたことを思い出す。
人の気持ちは、
看板よりもずっと複雑で、
ずっと分からない。
でも、
”分からない”という気持ちが、
湊を前に進ませている気もした。
「......行こう」
小さくつぶやいて、
湊は歩き出した。
朝の光が、
湊の背中をそっと押してくれているようだった。
今日もまた、
湊の”ふしぎを拾う一日”が始まる。