十二話
第14話 / 全15話 · 1,719字 · 約4分
−−??視点−−
みんなを呼んで、今日、話す時間を設けた。みんなそれぞれ、話したいことがあると思う。その『みんな』の中には、ぼくも入っていた。
「多分、今日はみんなそれぞれ、話したいことがあると思うんだ。だから、順番に伝えたいことを話そうか。ぼくは最後に話すね」
「神様も…?」
「うん、ぼくも。大事な話をしたいかな。じゃあ、君から話そうか。望愛」
望愛は柊真に対して不安だったことを伝え、柊真はそれに対して、今の自分の状態と、不安にさせたことへの謝罪を話していた。
美桜は、改めて自分の性の感じ方をみんなに伝えていた。
「だから…さ、俺、これからは好きなように生きて、いいかな…? 自分の個性を大切にして、可愛いフリ、しなくても…」
「うん、当たり前だよ。かっこいい美桜も楽しみにしてる!」
「莉音……。うん、ありがとね!」
ぼくが伝えなくても、やっぱり大丈夫そうだね。
そして…、玲音は自分が可愛いものが好きなことを、不安そうに下を向いて話していた。
「…ってことなんだけど、やっぱり、変、かな…?」
『変』で終わらせるのではなく、他の子達の意見も聴こうとしている。…偉いね。確実に成長してる。
「玲音…」
莉音、そんな不安そうにしなくても大丈夫だよ。玲音には、受け入れてくれる子達が、もういるから。
「変…なわけないじゃん!!」
「え…」
「私は玲音くんと会ってそんなに経ってないから、どんな人かなんてわかんないけど、とっても素敵で、優しい子なのはわかる! 少なくとも、私は! 私と莉音は、受け入れるし、可愛いものを身につけること、すすめるよ!! …ね? わかった? 大丈夫だよ。変じゃない。周り見てみなよ。少なくとも、ここにいる私たちは、君のことを受け入れてる。もしまだ外で可愛い格好するのが不安なら、私たちといる時は可愛い格好してみる、でいいんじゃない?」
「……うん。ありがと!!」
ほら、いい笑顔。大丈夫だったでしょ? だから、ね。莉音、次は君の番だよ。大丈夫。さぁ、ぼくもついてる。
−−莉音視点−−
『大丈夫。さぁ、ぼくもついてる』
頭の中で、神様の声が響く。
うん、みんなも、玲音だって、勇気を出して言ったんだもん。あたしも頑張る。
ーーーーー
「莉音、ぼくは思うんだけどさ」
「うん、どうしたの?」
「別に全てを言う必要はないと思うんだ」
「どういうこと?」
「莉音が『同性愛者だということ』、『恋愛対象は女性だということ』、『その事実をみんなに受け入れてほしいこと』。この三つが伝えられれば良いとぼくは思うんだ。だから、別に無理して今の好きな人のことを言ったり、関係が崩れることを恐れたりしなくても良いと思うんだ」
「うん、確かに…」
「でしょ?」
「うん、そうしてみる! ありがとう、神様」
ーーーーー
「あたしは……同性愛者なんだ」
怖い。ものすごく、怖い。だけど…、言わなきゃ…っ。
「"LGBTQ+"の"L"。レズビアン。だから、恋愛対象も女の子だし、今まで好きになった人も女の子だった」
みんなの顔が見れない。
「急に…ごめんね。驚くし、…引くよね。ごめんね」
下を向いたまま、立ち上がって帰ろうとすると、美桜が腕を掴んで引き留めた。
「莉音、大丈夫。俺は、受け入れるよ」
「え…」
「本当。いつも、莉音は何かを抱えてそうだったから、それを知れて、良かったと思う」
「そ…っか」
「それにね、正直に言うと、俺は恋愛対象なんていないんだ」
「そう…だったんだ」
驚いた。確かに、美桜の恋愛対象の性別なんて、考えたこともなかったけど、まさか恋愛感情を持たないなんて。確か…アセクシュアルだっけ…?
…でも、きっと美桜がこれを言うのも、勇気を出したんだと思う。だったら、あたしもその気持ちに応えよう。
「教えてくれてありがとね。これからも、よろしく…!」
精一杯、笑ってみせた。
神様、ありがとう。あなたのおかげだよ。…なのに、どうして?なんで、寂しそうに笑っているの?