三話
第5話 / 全15話 · 1,001字 · 約3分
−−美桜視点−−
「あー!! ほんっと疲れた…」
「はは…。美桜ってば、よく告白されるもんね。さっきとか」
「莉音…、笑い事じゃない…」
そう、私…俺はよく告白されるのだ。それも男子から。告白してくる男子達からして、俺はただの可愛いくて好きな女の子でしかないのだろう。でも、俺からしたら男子は友達でしかないし、恋愛対象でもない。というか、まず誰も好きにならないのだが。
「好きで可愛い格好してるわけじゃないのに…」
「なんか、美桜といると、LGBT?ってやつ、考えさせられるよねー」
「望愛、足りないよ。最近は、LGBTQ+。追加されたの」
「へぇー…」
ぼんやりとつぶやいた望愛の発言を、莉音が訂正してる。まぁ、望愛の方は、そんなの知らないとでも言いたげだが。
「確か、Lがレズビアン、Gがゲイ、Bがバイセクシュアル、Tがトランスジェンダー。Qがクエスチョニングとクィアだったね」
「クエスチョニングとクィアってー?」
俺の話に疑問を抱いたらしい望愛に、莉音が説明し始めた。
「クエスチョニングっていうのは、自分の性のあり方がまだ分からなかったり、探してる途中だったり、あえて決めなかったりする状態のことだよ。クィアは、性のあり方が多数派とは違ったり、クエスチョニングも含んだりする、…んー、言葉が難しいけど、簡単にいうと、『自分の心の性別や好きになる性別が、いわゆる普通の人とは違う』っていう概念だよ」
「どっちも難しいよ」
「まぁ、例を出せば、俺みたいな感じかな。俺は、名前をつけるとトランスジェンダー。生まれてきた体の性別と自分が認識している心の性別が違う人のことを言うかな。」
「なるほどー…」
「そういえば、最近望愛は先輩とどうなの?今朝の様子的に、上手くは言ってるんでしょ?」
「えへ、聞いちゃう…?」
「ふふ、聞いちゃう」
「えっとねー!今日は朝からLINEしてたんだっ! そしたらそしたら、『今日も迎えに行くから待っててね』だってー!! もう〜、好きっ!!」
「…っ」
莉音?
頬杖をついてる望愛の横で、顔を辛そうに歪める莉音が目に入った。話しかけたかったけど、あまりにも苦しそうだったから何も言えなかった。それに、今まで言わなかったってことは、言いたくないのかもしれない。
心配だ…。いつか、話してくれる日が来るといいな。