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またアイツに会いたい

第2話 / 全3話 · 861字 · 約2分
「ただいま、」
そう、自室に声を掛ける。
返事は返ってこない。高校生になってから、寮生活になった。
一人一部屋持てるのは、過去でも珍しいらしく、先輩に羨ましがられた。
新入生が少ないのだから、別に羨ましがる事ではないと思う。
学食はないので、みんな近くも弁当屋で食べる。毎日同じのでは飽きるが、一年生はまだ数ヶ月だけなので、なんとか大丈夫なようだ。先輩達はどうするのだろう。
今日の俺の夜ご飯はカレーだ。美味そうだな、とか思いながら一口食べる。
「…うま」
予想と違わず、美味しかった。スプーンが止まらず、すぐに食べ終わる。




寮では、風呂に入る時間が決められている。今何時だろうとスマホを取り出す。
ふと、LINEの件数が気になった。クラスのグループLINEがよく動くので、俺は通知を切っている。
少しスクロールすると、意外な人からLINEが来ていた。
tatibana
たちばな。立花。びっくりした。アイツの苗字だ。『立花 陽』の。でもすぐに気づいた。
アイツの母親だ。アイコンが、どちらも飼っている猫の写真だったので気づかなかった。
そもそも、アイツのLINEなら、名前をもうちょっとふざけているか。そう思い直し、内容に目をやる。
内容は、こうだった。

既読をつけてしまったので、軽く返す。

そう、返しておいた。
時間を見ようとしていたことを思い出し、携帯の左上に目をやる。
19:57
俺ら一年は、八時半からなので、まだ三十分ほど時間がある。
ほっとして、スマホを机の上に置くと、何かが込み上げて来た。
何かを無理矢理吐くような、嫌悪感。
「………ゴホッ、」
咳だったのか?それにしては…
と思ったと同時に、口を押さえていた手に、何かが当たるような感触があった。
口から手を離すと、
「……花…?」
それは、小さく綺麗な、紫色の花だった。
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